Apple Watchで電話できればiPhoneは要らない

knockeye2017-09-20

 もしiPhone Xが魅力的だとしても、強い訴求力はない。購買意欲は湧かない。これは、液晶の端っこがまるまってるGALAXYが出たときにも感じたことで、頑張ったなって思うけど欲しくない。
 スマホはもうコモディティー化したのだろう。歯ブラシと同じようなものになった。高級な歯ブラシに金を出す富裕層も存在するかしれないが、そこはもうメーカーの主戦場ではではなくなっている。iPhone6は液晶画面が大きくなり大ヒットしたが、その後、SEでまた小さめの液晶に戻った。あの時にスマホコモディティー化が始まっていたと思う。iPhoneの登場が衝撃だったので受け入れがたいだけだろう。
 iPhoneの画面を大きくすれば、iPadの市場と干渉してしまう。以前から書いていたことだが、PC、タブレットスマホ、ウェラブルデバイス、このベストミックスとをどう提供できるか。ここでAppleに生じた迷いに最適解を提供したメーカーはまだいないが、それはスマホを捨ててウェラブルデバイスタブレットのセットでいこうという大胆な決断を誰もできないせいだと思う。
 前にも書いたが、私はずっと電話はPHS、ネットはiPad miniと使い分けてきた。PCからここに来た人にとってはタブレットは革命的発明だろう。11インチのノートPCを持ち歩いていた者としては、iPad miniの軽さとバッテリーの保ちは奇跡だった。一方で、ケータイからスマホ経由でここに来た人は結局あんまり使わないタブレットなのかもしれない。実際、ネットの評価でもタブレットについて両極端の記事を見たこともあった。
 でも、大画面化したiPhone6が売れた訳だから、大画面の需要は間違いなくあるのだが、大きくすると電話としての使い勝手は悪い、小さくするとネット端末として使いづらい。iPhoneを使っている今も電話としてはPHSの方が使いやすかったなと思うことも多い。そして、もちろんネット端末としては圧倒的にiPad miniが使いやすい。じゃあなぜPHSからiPhoneに変えたかと言えば、そりゃやっぱり端末同士の連携。PHSにかかった電話をiPad miniで受けられない。それと、iPad miniにはGPSがない。wi-fiジャイロセンサーで、GPSが入ってんじゃないの?、くらいだが、それでも精度は劣る。
 すると、そういうユーザーはiPhoneをどういう時に使うか?。電話する時、マップを見るとき、ショップでアプリを使うとき。その他のことは、文庫本を開いたサイズのiPad miniがちょうどいい。
 賢明な諸氏はすでにお気づきであろうが、iPad miniユーザーとしての私のiPhoneは、Apple Watchが単体で通信できれば代替可能だ。というより、Apple Watchの方が使いやすい。ホンネはiPadApple Watchがあれば、iPhoneはいらない。
 なのに、Apple Watchがなんかぐずぐずしている。こないだやっと防水になったばかりだし、今回SIMをさせるようになったが、カメラもつかないし(そういえばiPhoneはカメラとしても時々使う)、バッテリーは保たないし。なぜベルトの部分を丸ごとバッテリーにしちゃわないのか不思議。
 だから、というとおかしいが、私は実は、FOSSILのQマーシャルを持っている。あっちの方がオシャレだし。ただ、やっぱりAndroidなのでiPhoneとは使いにくい。私はあれでGoogle mapを見ながら歩きたかったのだが、iPhoneの奴には見せてやらないっていうのだ。
 映画館でいちいちシアターモードにするのもめんどくさいし、今は使ってないが、Apple Watchではなく、FOSSIL Qマーシャルをつい買ってしまうのは、やはり、Apple Watchのデザインに、iPhoneiPodにあったような、他を圧倒する訴求力がないためだと思う。
 逆に言えば、そこに他のメーカーの付け入る隙があるが、日本のメーカーは負け癖がついちゃってウェラブルデバイスで逆転を狙おうっていうスピリッツを失くしてしまっている。それは同時にユーザーに対する提案力の欠如でもある。
 タブレットスマホ、ウェラブルデバイスを並べてじっと見てみると、私のようなユーザーにとっては、近い将来いちばん早く不必要になるのはスマホだが、LINEとかTwitterとか、SNSメインのユーザーはタブレットApple Watchが要らないだろう。こうしたユーザーの欲求不満をどのメーカーも捉えきれていないのが現状だという気がする。