「そして父になる」

knockeye2013-10-07

 「そして父になる」をスティーブン・スピルバーグがハリウッドでリメークしようとしているらしいけれど、とても無理だと思った。
 というより、これをリメークすることにどんな意味があるんだろう。このまま全米で公開すればそれでいいじゃないかと思うのだけれど、アメリカ人って、どうしてもアメリカ人が英語でしゃべってないと、映画を理解できないのだろうか?。清の皇帝も英語、ロシアの潜水艦でも全員英語。
 映画のあらすじだけ言ってしまうと2分かからないと思う。要はディテールにどこまできめこまかくこだわるかだから、そうなると、このリメークはかなりのチャレンジのはず。アメリカって言ったって、アメリカのどの辺を舞台にするのかから始めて、両方の家族の職業は?、学校は?、病院は?、裁判制度は?、とか,考え始めたら、黒澤明の「隠し砦の三悪人」から、ジョージ・ルーカスの「スター・ウォーズ」より、さらに大胆な変更が必要になるように思う。ほとんど別の作品になってしまうと思うし、そういう方面で力量のある監督が、いたとしても、そういう人はオリジナルで忙しいんじゃないだろうか。
 そう考えると、普遍的でありながら、作家性の強い映画なんだろう。もしリメークするとしたら、誰が監督かなぁ、ノーラ・エフロンは死んだし、ゴア・ヴァービンスキージョニー・デップでやってくれたら面白いかも。リリー・フランキーは、ウィル・フェレル?。
 ニコール・キッドマンが泣いたそうだけれど、となりのおばさんも泣いていた。席に座るときに私の足を踏んだんだけどね。ニコール・キッドマンは、尾野真千子真木よう子を誉めていたそうだけれど、風吹ジュン樹木希林もよかった。樹木希林は、おなじ是枝監督の「歩いても,歩いても」をもし見逃していたらみてほしい気がする。
 夏八木勲が出ていて、え、と思った。映画俳優の仕事って、映画の中で死んで、現実には生きていたり、現実で死んでも、映画の中で生きていたりで。
 これを言っちゃおしまいなのかもしれないけれど、子供たちがけなげ。あのやまとくんの最後のは、さすがに演出じゃないんでしょう。