余談

knockeye2016-09-23

 昨日の記事の余談になるが、1966年の来日公演ももちろんおさめられている。同時に、そのとき騒いだ右翼の姿も。ちょっと前まで、テレビでよく見かけた評論家の顔がスクリーンに出てきた時だけはさすがにげんなりした。
 ビートルズが武道館でコンサートをやるのが気に入らないってわけよ。武道館は日本の武道の聖地だとか言って、その聖地の冒涜なんだっていうわけよ。
 ポール・マッカートニーがインタビューで律儀に答えてました。
「僕らは音楽を演奏するだけで、冒涜だのなんだのは関係ない。」
 ジョン・レノンが「ビートルズは今イエス・キリストより人気がある」と発言したインタビューがイギリスの新聞に載った。イギリスでは「ハハハ」程度のことだったんだが、アメリカにこれが報道されると、大騒動になった。
 それは知ってたけど、実際の映像を見るとひどいのは、テレビなんかで「beatle stuffをもって集まってください」とか呼びかけてる。持ち寄って燃やすんです。
 今でいうネオコンだね。日本の右翼もそうだけど、こういう人たちは永遠になくならない。近所にいたら迷惑なんだよねぇ、こういうの。
 ロン・ハワードも全く知らなかったというし、ポール・マッカートニーも映像を見るまで忘れていたというのだが、アメリカ南部のフロリダ州ジャクソンビル、ゲイターボールでの公演で、白人と黒人で座席を分けるのをやめない限り、演奏をしないといって、その方針を変えさせた。
 「差別によって分けられた観客の前では演奏しない」と契約に組み込んでいた。2年前にメジャーデビューしたばかりの若者なんですけどね。
 わたしはビートルズの時代を考えると、フローベールが言った言葉を思い出す。
「神々はすでになく、キリストはいまだ生まれない時代、人間が自分の足だけで立っていた比類なき時代があった。」
 これは五賢帝時代について言った言葉なのだけれど、60年代もたぶんそれに似ていた。神々は自分たちが引き起こした戦争の責任を恐れて自粛していたらしく思える。