共謀罪と天皇生前退位をめぐるリベラルの不在について

knockeye2017-05-24

 共謀罪成立はテロ対策は表向きの理由で、実態はただ警察権力をフリーハンドにするだけのことである。国会前でデモとかやってる人たちに言いたいけれど、こうなってから騒いでももう遅いので、民主党政権成立の経緯ですでに、かなり露骨な警察権力の政治介入が見られたわけで、そのときなぜ捜査の可視化すら(それが実現したからと言って、とてつもなく進歩的なわけでもないのだし)実現できなかったのかを考えてみるべきではないか。
 圧倒的多数で政権運営していたときに、捜査の可視化にすら手を付けなかった民主党(今は改名しているけれど)が、共謀罪反対と口でいくら叫ぼうが、国民に信頼されないのは当然のことである。
 国会前でデモしている人たちに逆に聞きたいけれど、それでは、民進党が仮に今政権を獲ったとしたら、共謀罪が否決されると確信できるか?。官僚にまるめこまれて「やっぱり共謀罪が必要でした」ってことになりかねない。民主党政権はとにかくひどいものだった。
 民主党政権の無残な失敗が国民から政治的選択肢を奪ってしまった。民主主義を殺したのは事実上民主党政権であり、小沢一郎だった。にもかかわらず、その反省もしないで、名前だけ変えてお茶を濁している。それで、森友問題を追及しても支持率が上がらないとかほざいている。それで今度は共謀罪反対とか言ってる、その状況を国民がどう見てるか、首相夫人が100万円寄付したのしないのって問題も共謀罪成立も同列かよ?って呆れている。
 今上天皇生前退位について声明を発表した。これについて保坂正康が神奈川新聞に寄稿していた。
 日本の政治状況にとってそれが良いのか悪いのかわからないが、いずれにせよ奇妙に感じられることは、日本でリベラルな政治的立場の一般市民が、自民党に対して対置できる存在は今上天皇だけであるように見える。民進党がリベラルだと思っている人は、たぶん本質的にリベラルではないのだろう。あるいはふざけてるか。
 思い出してみると、オバマが大統領だった時代、日本では麻生太郎から民主党政権を経て安倍晋三まで、オバマがまともに話ができた存在は今上天皇だけだった。オバマ外交が拙劣だったのは評価として確定していると思うが、その原因の一端は、東アジアのパートナーであるべき日本の政治が、機能不全に陥っていたためだということもできるだろう。
 真にリベラルな政治勢力今上天皇を担いで革新を果たすなんてことが起こりうるんではないかと思えるくらい、とにかく今の日本にはリベラルな政治勢力がいない。このことが日本の政治状況を不安定にしている。
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