「メッセージ」と「美しい星」はセットで見るべき

knockeye2017-05-29

 「ターシャ・チューダー 静かな水の物語」という映画を観ました。
 アメリカ映画なのかと思いきや、鈴木ゆかりってひとがプロデュースして、松谷光絵ってひとが監督した、KADOKAWA配給の日本映画だった。
 ターシャ・チューダーは92歳で亡くなるんだけど、その前年、91歳の1年の暮らしを記録したドキュメンタリーなので、そういう値打ちもあるんだと思う。ただ、私は、ターシャ・チューダーの庭を見てみたかっただけなんだけど。
 バーモント州にあるターシャ・チューダーのそのコギー・コテージって家は、ターシャの息子さんのセス・チューダーが手作りした家なのだそうだ。ターシャ・チューダーが庭の手入れに使っている小さなシャベルがあるんだけど、16歳の時から使っていて、好きな男の子にも触らせなかったっていう。
 91歳の誕生パーティーに息子さんやお孫さんたちが集まってるんだけど、「誕生日の例の歌はやめてね」とか言う。その辺の意志の強さがやっぱり違うと思った。「まっ、いっか」みたいなところは全くない。選択と忍耐。
 吉田大八監督の最新作、三島由紀夫原作の「美しい星」を観ました。リリー・フランキー主演、亀梨和也橋本愛中嶋朋子佐々木蔵之介
 吉田大八監督は「霧島、部活やめるってよ」はもちろん(あのときの松岡茉優の芝居は今でも語り草でしょう)、「パーマネント野ばら」も好きだし、「クヒオ大佐」も悪くないと思うんだけど、前作の「紙の月」がちょっと「あれ?」って感じだった。原田知世のテレビドラマが好評だったので、もともと不利ではあったんだと思う。今回はまた絶好調に戻ってくれててうれしいです。
 「葛城事件」で、三浦友和の次男を演じた若葉竜也が、またこれ、何とも言えないいい味を出してます。
 亀梨和也、わたしは三木聡の「俺俺」以来なんですけど、こういう巻き込まれタイプの役うまいですね、花があって。
 「ターシャ・チューダー 静かな水の物語」の翌日にこれを観たのだけど、ターシャ・チューダーのあの家族、もしかしたら宇宙人かもなぁって思ってしまいました。「メッセージ」は先週観たんだけど、死と家族と宇宙の物語なんですよね。同じテーマでも、ハリウッドと日本でこんなに表現の仕方が違う。私は「メッセージ」より「美しい星」の方が好きかもしれない。
 「美しい星」が気に入った方は、園子温監督の「ひそひそ星」も、もしまだ見てなかったらお勧めです。