役人が総理の意向に沿うのはあたりまえ

knockeye2017-06-04

 日本はつくづく官僚支配の国だと思う。あの前川喜平という元文科省事務次官がまるで英雄扱いされているが、あれは、事務次官という、省庁のトップの立場であるにも関わらず、天下りの口利きをしていた人なのだ。国民の利益を蔑ろにして、国政を歪めていたのである。
 で、それがバレてクビになったのに、今になってのこのこ出てきて、加計学園の獣医学科が新設されたのは「総理のご意向」だったと言っているわけだが、基本的に、役人が政治家の「意向」に沿うのは当たり前じゃないか。なぜなら、政治家は選挙で選ばれた国民の代表なんだから、もし、政権が代わっても、役人が政治家の言うことを聞かないとなれば、一体どうやって民意が国政に反映できるのか?。
 もちろん、国民の不利益になるような、よほど常軌を逸した「ご意向」なら、抵抗すべきでしょう。しかし、今回の場合、事実、抵抗しなかった。大スキャンダルにわが身を挺して抵抗したというなら、確かに英雄だろう。しかし、抵抗しなかった。しかも、国民にとっては別に大した問題ではない。長年棚ざらしにされていた規制緩和が実行されるだけ。許認可権を侵される文科省の役人にとっては一大事だったかもしれないが。
 言っとくけど、その一方では、天下りを組織的に続けてたんですよ。国民の側に立って仕事をしていたとはとても言えない。で、今になって、獣医学科が新設されたのが「総理のご意向」だったって、鬼の首を取ったように言っているが、逆に言えば、50年以上も獣医学科が新設されなかったのは、「文科省のご意向」だったんだろ?。何で、「文科省のご意向」の方が、「総理のご意向」より上なんだよ。
 獣医学会の意見云々言ってるけど、新設した獣医学科に人が集まらなかったり、卒業生に就職先がなかったり、といったことがあったとしたら、困るのは加計学園の経営でしょう。それとも、獣医学科が新設されたら獣医学会の方で何か不都合でもあるのか?。それを役人が許認可権で雁字搦めにしているから、岩盤規制といわれているのだ。
 要するに、前川某が「総理のご意向」で獣医学科が新設されるのを面白くなく思ったのは、文科省の許認可権という、官僚支配の根幹を侵されたからなのである。彼は、天下りの元締めなんですよ。よく考えて。
 この問題で安倍政権の支持率が落ちないと、マスコミは不思議がってる。しかし、官僚支配からの脱却は、中曽根時代から、いまだに解決されない、日本の一大テーマなのである。これで支持率が落ちると思ったのなら、やっぱり、マスコミは官僚の側なのだろう。政治家対官僚という構造になったとき、マスコミは必ず官僚の側に立つ。そうしたマスコミの口車に乗って、バッシングに加わるバカが少ないのはむしろ喜ぶべきだろう。