シビリアンコントロールを手放すことに疑問を感じないのか?

knockeye2017-06-21

 「面従腹背」と官僚がいうとき、それは、シビリアンコントロールを平然と蹂躙する宣言なんです。それを、マスコミが誉めそやして祭り上げるなんて事があっていいんでしょうか?。
 そもそも、第二次世界大戦で国を滅ぼすことになった最初のきっかけは、天皇統帥権を僭称した軍官僚が、政府を無視して戦線を拡大していったことにありました。
 当時のマスコミは、五一五事件を「義挙」と誉めそやし、一般の国民からは減刑嘆願書が100万通を超えて届いたそうです。逆に、暗殺された犬養毅首相は逆賊扱いされました。犬養毅首相の娘さんの回想によると、当時、近所に米を買いに行っても売ってくれなかったといいます。
 加計問題のそもそもの発端は、共産党にリークされた文科省の文書にあります。それを、前文科省事務次官の前川喜平氏が、ホンモノだと保証したわけですが、文科省の文書であるかぎり、彼がホンモノというかぎりホンモノでしょう、あたりまえです。なぜなら、その文書が作成された時の責任者が彼な訳だから。しかし、その文書がホンモノであるからといって、その文書の内容が真実であることにはなりません。
 その意味では、加計問題は、確かに森友問題に似ている。森友学園の籠池理事長は、自分の口座に入金するのに、わざわざ振込用紙を使って、そこに安倍晋三と自分で書いて、それを黒塗りしたものを(振込用紙なんて何枚でもあるだろうに)後生大事にとっていたのですが、この一連の行動に登場する人物は籠池理事長ただひとりです。何を証明することにもならない。そんなことが本当にマスコミも野党もわからないのでしょうか?。私はそうは思わないですね。
 文科省は、省ぐるみで天下りを常態化していた。前川前事務次官も、自ら天下りの口利きをしていた。彼が、辞任したのはその責任を負ってのことです。CIAの不正を告発して亡命したスノーデンとは真逆です。
 その後も、文科省から、それこそ組織ぐるみのリーク文書が続々たれ流されていますが、すべて、そういう文書があるというだけ。文科省が組織ぐるみで作った文書を、文科省が組織ぐるみでリークしているだけだから、なんでもいいたい放題なのは当たり前です。
 そして、その内容が真実かどうかは、実は大して意味がありません。なぜなら、「総理のご意向」だろうが、「獣医学会のご意向」だろうが、現に決定を下したのは文科省だからです。「総理のご意向」文書を作成していたのも、獣医学科の新設を決めたのも文科省なんですけど。
 バカバカしすぎる。バカバカしすぎて言葉遣いが丁寧になってしまいます。
 たとえば、最近の萩生田文書について、前川喜平氏はどう発言しているか、日経の記事を写すと、

「在職中に見た記憶がない。(幹部より)下のレベルの職員で共有するため(の文書)だと思う」と指摘。発言者が全て萩生田氏ではない可能性があるとしたうえで「内容はほぼ事実ではないか。作成した職員が聞き違えることはあり得ない」と強調した。

見た記憶がない文書の内容を「ほぼ事実ではないか」という根拠が「作成した職員が間違えるはずがないから」という、それは、「なぜ真実と言えるか?」という問いに対して「真実でないはずがないから」と答えているにすぎない、完全な循環論にすぎず、答えになっていないのだが、彼を正義の味方に祭り上げているマスコミは気が付きもしない。
 で、私が今ここに書いているようなことは、「安倍応援団だ」とかレッテルを貼られるらしいです。
 だいたい、愛媛に獣医学科を作らせてもらえるなんて「ズルイ」とか、個人的には全く思いませんけどね。総理の友達だからといって、獣医学科を新設できるなんて、依怙贔屓がひどすぎる!、とか憤慨してる人がどれだけいるんですかね?。
 韓国の朴槿恵元大統領が、お友達に演説原稿を見せたというだけで弾劾されたのには、驚きましたけど、日本人も大して違わないんだな。
 それにしても、脱官僚とか、シロアリを働きアリに変えていかなくてはならない、といっていた民主党が、一文字字を入れ替えただけで、官僚と既得権益の論理にすり寄ってる姿には、吐き気がしますね。
 もう一度言いますけど、文科省は省ぐるみで天下りをしていたんですよ。今、文科省に都合のいい文書ばかりリークされてるのを変だと思わないんですか?。 
 安倍一強と言われているけれど、安倍政権がこの先どんなに長く続いたとしても、せいぜい後3年程度でしょう。官僚組織の野放図な暴走を許せば、その行き着く先をもう私たちは見たはず。野口悠紀雄は、1940年体制と名付けたが、その時を起点にしても、三四半世紀続いていて、そのシロアリが再び国を滅ぼそうとしている。と、民主党のみなさんも言ってた気がしたんですけどね。
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