運慶展

knockeye2017-11-18

 東京国立博物館で開催されている興福寺中金堂再建記念特別展の運慶展は連日人が押し寄せているに決まっている。
 つうことで、ちょっと行きそびれていたのだけれど、「KUBO」と「人生はシネマティック!」が二つともいい映画で気持ちが上がって、流れで夜の上野にでかけたわけだった。金・土曜日は21時まで開いてくれている。
 19時くらいだったと思うけど、それでも田舎の縁日くらいのにぎわわしさだった。 
 観られてよかったと思う。運慶もそうだけれど、父親の康慶の≪法相六祖坐像≫が素晴らしかった。

 これは善珠と伝えられる坐像だが、六体とも個性的であるとともに、深い精神性を表現しているように見える。木像に精神性という言葉を使うのは矛盾しているように思うがそう見える。
 それはこの

重源上人像にも、図録の表紙になっている、無著菩薩と世親菩薩の像にも言える。
 老いがただ醜さや衰えではなく、精神的な成熟と結びつく価値観があったとしても別に驚かなくてもいいし、その方が穏やかに暮らせるのではないかと思わないではない。
 もちろん、その真逆の考え方もある。パスキンなんかは「人間、45歳をすぎてはならない。」と公言していた。
 わたしとしては、そのどちらかの考え方をリアルだと思える鈍感な人間はつまらない。パスキンは実際に45歳で自殺している。
 この

四天王立像の持国天も素晴らしかった。おもわず顔をのぞきこんでしまった。
 常設展には「血みどろ芳年」の面目躍如の絵が何点かあった。


 カメラを持ってなかったので、iPhoneで撮ったが、5sくらいだとカメラとしてはちょっとどうかという感じ。