鎌倉の集藍

 朝のうちの雨が、映画館を出ると晴れ渡っているのみならず、ちょうど今晴れたところです、みたいな風が肘のあたりをすっと撫でていったので、ちょっと予定を変更して鎌倉に集藍を見に出かけた。
 鎌倉の集藍というと、明月院ってことになるのだが、あそこはこの時期人混みが過ぎるに決まってるので、そこはあえて外して東慶寺を訪ねてみた。その頃には夏みたいな日差しが、朝のうちの雨を回収にかかっているようだったが、境内に入ると木々が鬱蒼としているせいでさっと涼しくなった。雨上がりの木陰に集藍はよく似合った。

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 小さな地蔵には、集藍でなく、半夏生が供えてあった。

 そのあと、浄智寺から



化粧坂切通しを歩くのがいつものコースだが、雨上がりにあのぬかるみは避けたいので、すこし遠回りして亀ケ谷坂の切通しに。思いがけず、途中の道の集藍が盛りで、こっちで正解だったなと思ったんだが、

亀ケ谷坂の切通しは、昼なお暗いって表現がぴったり。

奥の方で街灯が灯ってるのがわかるだろうか。写真では通る人の顔も見えないと思う。ホントは人が3人写ってます。
 でも、その暗さに却って趣があって、坂の背を過ぎたあたり、自生の集藍が木漏れ陽を浴びていた。

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 寿福寺は、鎌倉駅に向かう道すがらなこともあり、まるで定点観測のようによく通う。雨上がりのこの日は、長い参道が水気を含んだ空気に白く霞んでいた。