『カメラを止めるな!』

 『カメラを止めるな!』は、最初にフライヤーを目にした時から、これはたぶん面白いんだろうなと思ったけど、同時に、その面白さの質ももう分かるって気がした。だって、低予算で、無名の監督が、無名な役者を使って映画を撮るとなったら、アイデア勝負でシナリオを練りに練るしかないわけだし。

 ここまで話題になるとは思わなかったけど、こういう映画が愛されるってのは分かる気がしますよ。クール・ジャパンとか言いながらさ、国家予算がついてるはずなんだけど、どこに消えてるんですかね?。是枝裕和がカンヌでパルムドールを獲っても、祝電のひとつも打たない。何なんすかね?、日本の政府って。

 とまあ、そんな時代に、無名の人が、知恵を絞ってこういうなかなかな映画を作ってヒットさせるってうれしいじゃないですか?。それだけで痛快。低予算であること自体が、プロモーションになってる。

 三谷幸喜風のシチュエーションコメディと言えなくもない。でも、そこにメタフィクションが入り込んでいるのは、意外にないかも。タランティーノの『パルプ・フィクション』ほど、時間軸は動いてないですけど、「ああ、そういうことか」って笑いの質は高いと思います。

 内田けんじの『運命じゃない人』とか、低予算のいい映画を思いつくままに書いてみます?。でも『万引き家族』だってすごいお金がかかってるわけじゃないですよね。予算をかけるとこける気がしますね、日本映画。f:id:knockeye:20180812001958j:plain