日村さんをフライデーに売った女性はリベンジポルノ防止法違反にならないの?

 バナナマン日村勇紀の「淫行」が報じられてる。
 フライデーの記事では、今年32歳になる女性が16年前に日村さんと関係があったそうで、最初は20代だと年齢を偽って近づいたそうだが、実年齢を明かした後に、一緒にお酒も飲み、肉体関係も持ったそう。

 でも、専門家の記事だと、そもそも16年も昔のことでは、仮に条例違反だったとしても、とっくに公訴時効が過ぎているそうです。

 そして、そもそも淫行条例自体が、その時点で、東京都にはまだなかったそうです。

 女性の地元の愛知県では施行されていたそうですが、ただ、淫行条例は「未成年の男女と恋愛してはならない」という条例ではないので、現に、名古屋簡易裁判所では、32歳の既婚男性が17歳の女子高生と肉体関係を持った事例について、「無罪」の判決が出ています。

 その判決によると、「たとえ合意があっても青少年保護の観点から社会通念上非難に値する行為」

(1)職務上支配関係下で行われる性行為、(2)家出中の青少年を誘った性行為、(3)一面識もないのに性交渉だけを目的に短時間のうちに青少年に会って性行為すること、(4)代償として金品などの利益提供やその約束のもとに行われる性行為

のような場合を淫行としているそうです。

 日村さんのケースで引っかかりそうなのは(3)だけですが、「性交渉だけが目的」だったのかどうかは、全面的に主観の問題ですよね。「短時間」は、その主観に何らかの客観的基準を持たせようとして書き加えられてるだけなのは明らかで、何回かデートすれば、あとはやり放題が許されるなら、こんな条例の意味がないわけです。

 こうした曖昧な部分があるので、そもそも淫行条例(正しくは「青少年保護育成条例」)自体が「違憲」ではないかと、裁判で争われたこともあるそうです。1982年の最高裁判決では

「青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為」

と、淫交を規定しているそうですが、先ほどと同じことを難しい言い回しで反復しただけという印象は拭えないと思いますがどうでしょうか。

 淫交条例は、見直すべき時なのかもしれないですね。今回のケースについてのネットでの反応を見ていても、明らかに(ダブルスコア以上で)日村さんに同情的な意見が多い。

 16歳といえば、16年前は女性はもう結婚できる年齢です。結婚できる年齢の女性が、男性と性交渉してはいけないっていう違和感。性行為そのものを罪悪視しているから、こういう変な条例ができるんじゃないでしょうか。

 「青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象」として扱うことが悪だと、先ほどの最高裁判決はいってるわけですが、それが悪なら、たいがいの恋愛は成立しないと思いますけど、違いますかね?。「合意の上」で「自己の性的欲望を満足させる」のが違法なら、それは「セックスが違法」ってことですからね。

 もし、今回の女性が当時16歳ではなく、最初に自己申告していた通り21歳だったら、付き合ってた頃の写真を相手に無断で公にする行為は、ただ単にこの女性のリベンジポルノですよね。

 リベンジポルノ防止法は2014年に制定されています。たとえ、当時、未成年であったとしても、「相手が公開するつもりのない私的な性的画像を無断で」公開することは、リベンジポルノ防止法に抵触するんではないかと思います。もし、淫行条例違反で訴えるなら、写真誌に持ち込まずに、法廷に行かなければならないはずでした。公訴時効が過ぎているから、リベンジポルノ行為に及んだ、が許されるなら、リベンジポルノ防止法自体が骨抜きになってしまいます。

 今回の事例は、淫行条例の公訴時効が成立している上に、そもそも淫行条例に抵触するかどうかもあやふやな事を、出版社が女性の言い分だけに基づいて(お酒を「飲まされた」、セフレ扱いされた、など)、リベンジポルノまがいの行為を行ったという風に見えるのですが、これはリベンジポルノ防止法違反にならないのでしょうか。