『華氏119』

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 2004年の『華氏911』は、そんなにいいと思わなかった。DVDで見始めたのは憶えているが、最後まで観たかどうかおぼえてない。
 フェアな語り口だと思わなかった。もちろん、マイケル・ムーア自身が、そういうことを気にかけてないんだろう。
 しかし、今回の『華氏119』は、期せずしてフェアになってる。というのも、トランプだけでなく、ブッシュも、クリントンも、共和党も、民主党も、報道機関も、オバマも、登場するほぼ全員が悪人だから。
 この映画のオバマにはショックを受けました。「フリント 水道水」で検索してください。こういう先進国とは思えないような状況になってるんですけど、鉛の含有量は改竄、子供の血液検査の結果も改竄、そこへ、オバマが大統領専用機で乗り込んできたので、やれやれと思いきや、水道水を飲むふりをして「大丈夫じゃねえか」みたいな感じでとっとと帰っちゃった。
 町はほぼゴーストタウンになってしまって、それをちょうどいいやって感じで、軍が市街戦の演習を予告なしでやり始めた。我が目を疑ったっすけどね。アメリカ軍がアメリカの町を爆撃してるんですけど。オバマ政権なんですけど。こりゃ確かに、トランプの方がマシじゃないかって思っても仕方ない。トランプ政権誕生の最大の功労者はオバマだな。
 でも、例の銃撃事件で同級生が死んだ高校生たちのデモと教師のストには素直に感動しました。今度の中間選挙の結果がどうなるかわからないものの、民主党の草の根候補の運動がだんだん広がっていけばいいなと思います。
 余談だけど、日本の選挙運動では戸別訪問が禁止されてるけど、もう解禁すべきだと思いました。そうでないと、政治が身近にならない。戸別訪問の禁止が、組織票を有利にしていると思いました。