伊庭靖子展、三国志展

 東京国立博物館で開かれている「三国志展」はすごい人気。ただ、これは、日本人に人気であるだけでなく、中国人に人気みたい。「顔真卿展」のときは、現在、中華人民共和国になく、中華民国でしか見られない書の数々が観られるということと、春節に時期が重なったことで、大陸から人が大挙して押しかけていたのだが、今回のは、中国の国宝級の品々とはいえ、北京にあるものなので、顔真卿のときほどではないみたい。

 

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川本喜八郎 ≪劉備玄徳≫

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川本喜八郎 ≪曹操孟徳≫

 若い人たちにとっては、「三国志」といえば、ゲームなのかしれないが、私にとっては、NHKでやっていた人形劇の川本喜八郎の手になるこの人形たちだ。
 これは中国人にとっては「何だこれ?」ってことだと思う。
 思い返せば、このころのNHK人形劇のレベルは高かった。川本喜八郎の「三国志」に辻村寿三郎の「南総里見八犬伝」(坂本九がナレーションしていた)。
 しかしながら、三国志にさしたる興味もなく(長沢芦雪赤壁図などあるかなと思ったがそれはなかった)、いつもどおり常設展をブラウジングした。

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武蔵野図屏風 作者未詳

 こういうの描いた人が誰わからないのに、あいかわらずびっくりする。

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 それからこれはこのまえお話しした「被衣(かづき)」。頭から被る前提なのが

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この帷子と襟のあたりを比べるとわかると思う。

 今回は刀剣を動画で撮ってみた。


南紀重国 於南紀重国造之

静止画だと

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刀 南紀重国 銘 於南紀重国造之

伝わらない感じなので。


国宝 太刀 福岡一文字吉房(号 岡田切吉房)銘 吉房

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国宝 太刀 福岡一文字吉房 (号 岡田切吉房) 銘 吉房

刀 水心子正秀 銘 川辺儀八郎藤原正秀(花押)寛政十年二月廿九日

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刀 水心子正秀 銘 川辺儀八郎藤原正秀(花押)寛政十年二月廿九日

 でも、この日に上野に行った目的は東京都美術館で開かれている「伊庭靖子展」。なぜかユニクロアプリを見せると割引になる。

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伊庭靖子 untitled

 写真みたいな油彩なんだけど、フォトリアリズムとも違う。というのは、フォトリアリズムの場合は、写真がもっとリアリズムというか、なにげないスナップショットのような絵をあえて油彩にする。伊庭靖子の場合は、元の写真(というものがあるとして)がリアリズムじゃない。
 ジョルジョ・モランディの絵に引き寄せて考えてよいのでしょうか。とにかく、好きです。

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伊庭靖子 untitled

 キリがないんだけど、ホントは、東京芸術大学大学美術館で円山応挙展もやってる。しかし、これはまたの機会にということにして、その筋向いにある黒田記念館。
 黒田清輝がフランスの新聞社の依頼で、日清戦争を取材した絵というのがありました。

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黒田清輝が描いた日清戦争

 昔、見たことがある東京大空襲直後の写真を思い出した。絵と写真の違いがあるだけで、まったく同じ姿だった。