2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

むかしの味

むかしの味 (新潮文庫)作者: 池波正太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1988/11/30メディア: 文庫 クリック: 10回この商品を含むブログ (39件) を見る九月ももう終わり。秋めいて当然だが、ここ何年か、少なくとも私が関東に来てからは、長引く夏がつづいた…

最後の初恋

これは昨日お話した浮世絵「猫の當字」の一枚「たこ」。パブリックドメインに入っているのは確実だと思うので、スキャンしてアップすることにした。 「ねこ」が「たこ」とからまって「たこの字」になっている。こういう絵を描く人がいて、こういう絵を楽しむ…

ベルギーロイヤルコレクション

私はまだこのあたりの距離感がつかめていない。 ベルギーロイヤルコレクションを見るため、浮世絵太田記念美術館を訪ねたのだが、原宿というところは意外に近かった。「意外に」というのは、心理的距離に較べると、物理的な距離の方が近かったという意味。開…

秋野不矩 補遺

秋野不矩は、天竜川の近くで生まれた。今、個人美術館が浜松にある。建築家は、路上観察学会でおなじみの藤森照信。茅野にある「神長官守矢資料館」を気に入り、設計を任せたそうである。神長官守矢資料館はインドの民家そっくりだそうなのだ。 この情報は、…

秋野不矩

昨日リストアップした展覧会のうち、一番交通の便の悪い葉山の「秋野不矩展」に出かけた。 台風一過というと、普通、晴れるものなのである。 今朝少し雨が残っているなと思ったけれど、そのうち晴れるのだろうと油断していたら、終日激しい雨が止むかと見せ…

野分

午前3時の台風情報を待ちながら、白菜の漬物など食っているのは乙なものだ。 今夜は、傘を目深に足許だけ見ているうちに、いつの間にかアパートの前の道にたどりついていて、ああだんだん住み慣れてきたんだなぁと思った。 白菜の漬物は、猫のいるコンビニ…

小泉今日子

「でも、私の中の物事の判断基準として一番大きいのが、恥ずかしいか、恥ずかしくないかというのがあるからかも」 「もしかしたら若い時期のアイドル経験が良かったのかもしれないですね。いつもコンサートでお客さんの顔を見ていたから、ドラマや映画を観て…

へうげもの

「へうげもの」(1)〜(7)を大人買いしてイッキ読みした。 古田織部を主人公に据えた視点が面白い。 本能寺の変は、NHK大河ドラマの永遠のテーマだが、時代によっていろいろと解釈が変わる。私が子供のころは、逆臣光秀を忠臣秀吉が討ってとったとい…

至福の味

至福の味作者: ミュリエルバルベリ,Muriel Barbery,高橋利絵子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2001/07/01メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 17回この商品を含むブログ (16件) を見るこの作家のデビュー作にして、2000年度の最優秀料理小説賞(という賞…

夢の話

二人連れで店かなにか劇場かを出ようとすると、私の持ち物が何か問題だったらしく出口で私だけ足止めされる。税関みたいな感じ。 結局、誤解が解けて店を出るのは5〜6時間経ったあとみたいで、もう日が暮れている。待たせていた連れは三谷幸喜で、トランク…

私の食物誌

私の食物誌 (中公文庫)作者: 吉田健一出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/07/25メディア: 文庫 クリック: 13回この商品を含むブログ (21件) を見るあちこちに抄録されていたのを読んだだけだったので、この改版が出たのを機会に読んだ。いわずと知れ…

ハンコック

このはてなダイアリーの自動リンクはほんとに面白くて、私、設定は公開にしているのだけれど、どういうわけか公開にならないのが残念。 ともかく、そんなリンクの一つを辿っていて、「グーグーだって猫である」の犬童一心監督が「眉山」の監督でもあることに…

デトロイトメタルシティ

昔、小林秀雄は言ったもんだった、「モーツァルトの悲しみは疾走する」と。 しかし、私は思った、ヨハネ・クラウザー2世の疾走には悲しみも追いつかない。 ジーン・シモンズ演じるジャック・イル・ダークとの対決シーン、湧き上る根拠のない感動をどう説明…

グーグーだって猫である その3

ぴあの今週号に、小泉今日子のインタビューが載っている。 一昨年、急逝した演出家久世光彦からもらった手紙に 「最近は文章でも演技でも、びっくりするくらい巧くなってきました。ただこれ以上巧くなってはいけません。巧さの先には、あまり広い世界はあり…

グーグーだって猫である その2

ちょっと驚いたのだけれど、映画「グーグーだって猫である」で、小泉今日子演ずる漫画家「麻子さん」が富山出身という設定は虚構だった。私はてっきり原作者大島弓子が富山出身なのだと思ったけれど、違うのだそうだ。 ストーリーを引っ張っていく役どころの…

グーグーだって猫である

野田知佑の紀行文のどこかに、ユーコンをカヌーで下っている時出逢ったイギリス人かアメリカ人かが、夏目漱石の「こころ」の英訳版を読んでいたと書いてあった。 「こころ」は夏目漱石の、多分、最高傑作だろうが、多くの名作がそうであるように、魅力的であ…

夏も終わり

予告どおり昨日はお仕事(ただ働き)。午後3時〜9時半ごろまでかけて結局解決出来ずに帰ったトラブルだったが、今朝、1mmほどの太さのホースのつなぎ目が折れているのに気づいて、一瞬で直してしまった。 この結果をどう考えるべきなのか。私の週末はす…

DP−1の革ケースについて、メモリー、バッテリーの出し入れ、それにパソコンとつなぐときまで、いちいち取り外さなければならず、そのたびにコインが必要になることを先日書いた。 昨日、コンビニによったら、缶コーヒーにこんなコインがおまけで付いてい…

ワーカホリック

会社では仕事以外のことはしないことにしている私だけれど、今日の飲み会は因縁浅からぬ先輩の慰労会なのと、自分の職場に新しく配属された派遣社員の歓迎会なので、人並みに義理を感じて出席した。 夜勤明けだったが、トラブル発生のため出勤した。トラブル…

夢の話

昔住んでいたふたつの家について、爆笑問題太田光と話をしている。太田は話題の家について思い出せそうな、忘れたような感じ。私は、ふたつあるうちのぼろくない方だと説明している。私の脳裏にはぼろい方の家が浮かんでいる。暗くて崩れかかった階段、ほと…

マキノ雅彦、山崎努

週刊誌を購読していて、ときたまに「当たり」という号がある。今週の文春はまさにそれ。 まず、阿川佐知子のインタビュー。インタビュイーはマキノ雅彦(津川雅彦の映画監督ネーム)。 見てはいないのだけれど、初監督作品が中島らもの『寝ずの番』というと…

処女懐胎

学生時代に先輩と、マリアの処女懐胎について議論したことがある。 私としては、もし科学的に処女懐胎がありうるとしても、神の子だからといって処女から生まれなくてもよさそうなものだと思う。 週刊文春の連載記事、竹内久美子の「ドコバラ!」にこの長年…

シグマ DP1専用皮製ハードケース HC-11

スナップ写真が好きなので、カメラは常に携帯したいと思っている。 なのでカメラ選びのポイントは、機能と同じくらい、軽さと、カタチと、扱いやすさが重要になる。 DP1は機能、軽さ、かわいさは大満足なのだけれど、持ち歩くときのスタイルに苦労してい…

復活

昨日の話に仏教徒の立場から一言付け加えておくと、バタイユ自身も「仏教は神の概念無しで済ましている」と言っているが、それに加えて仏教には霊魂の概念もない。僧侶のくせに悪霊だの除霊だのといっている輩はそれ自体でニセモノだとわかる。仏教の輪廻転…

エロティシズム

エロティシズム (ちくま学芸文庫)作者: G・バタイユ,酒井健出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2004/01/11メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 80回この商品を含むブログ (66件) を見るしばらくこの本にかかりきりになっていた。 若いころに、死とは何かとかい…