2008-01-01から1年間の記事一覧

豊田商事事件

昔、豊田商事永野会長刺殺事件というのがあった。 全国規模の詐欺事件の親玉が、テレビなど報道陣の見守る中でメッタざしにされた。 今回の元厚生事務次官の事件は要するにあれだね。 大規模な詐欺事件の場合、被害者の中に血の気の多いものもいて当然でした…

トウキョウソナタ

恵比寿ガーデンシネマで「トウキョウソナタ」を観て来た。 公式サイトによると、マックス・マニックスという、日本に暮らしていたオーストラリア人が書き下ろした脚本が、企画の始まりらしい。 そのもともとの脚本はどのようなものだったろうかと夢想してみ…

村上龍と竹中平蔵の対談

今月十日の「カンブリア宮殿」で、村上龍と竹中平蔵の対談、聞き書き。 「マーケットとか市場の話になってくるとですね、竹中さんがおいでなのでアレなんですけど、今、格差がでてしまったとか、あるいは、地方経済が疲弊してしまったっていうのがですね、ど…

米朝師匠のインタビュー聞き書き

観たいと思ったテレビ番組を録り溜めているけれど見るのはずいぶん後回しになってしまう。 「苦節を笑いに変えて 〜桂米朝一門60年の軌跡〜」 という番組が7日の深夜にやっていた。 その時の米朝師匠のインタビュー。 枝雀について 「・・・もう、枝雀と、…

中庭の出来事

中庭の出来事作者: 恩田陸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/11/29メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (112件) を見る先日アップした池口史子の絵は「中庭」とという題。絵葉書がなかったのでポスターを買った。 恩田陸は読む…

温度差

「トウキョウソナタ」の公式サイトは封切られるずいぶん前からブックマークしてある。 黒沢清監督は「叫」を観て気に入っているし、小泉今日子、香川照之、役所広司、そそられる面々なのだけれど、舞台挨拶を見られるチャンスをスルーして、なんだかんだと観…

アンドリュー・ワイエス、恋愛上手になるために、池口史子

寒い一日だった。 朝出かけるときに「少し寒めかな」くらいの服装だったのだけれど、体感温度はそのときのほうが高かったくらいで、一日中気温が下がり続けたかのようだった。しかも昼過ぎにはこまかな雨も降り始めた。 この週末は渋谷コース。思い返してみ…

正十七角形

スイーツ親方の欲張りプリンを食べている。真夜中のプリンはおいしい。 マイクロフリースにダウンベストを羽織ってコンビニまで歩いたのだけれど、それでちょうどいい感じ。通り向こうのコンビニの明かりが熟した柿の色をわずかに照らしていた。 今週は帰宅…

日本語の起源、落下の王国

日本語の起源 新版 (岩波新書)作者: 大野晋出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1994/06/20メディア: 新書購入: 1人 クリック: 23回この商品を含むブログ (16件) を見る源氏物語のもののあはれ (角川ソフィア文庫)作者: 大野晋出版社/メーカー: 角川書店発売日…

三月は深き紅の淵を

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)作者: 恩田陸出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/07/13メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 91回この商品を含むブログ (238件) を見る寺山修司が「書を捨てよ、町へ出よう」と言ったころ、町には何があったのだろう。少なく…

ハンマースホイ、琳派、アネット・メサジュ、ピカソ

美術展をはしご。 まず上野の国立西洋美術館で、ヴィルヘルム・ハンマースホイ展。 1907年にロンドンで個展があったとき、『アマチュア・フォトグラファー』という雑誌に 「私たちは読者の皆様に、画家の作品を学ぶようになどという押しつけはほとんどし…

オータムジャンボ宝くじ

ふらっと小田原に出かけたとき、なんとなく買ったオータムジャンボ宝くじが当たった。当たる気がしたのだ。 物騒な世の中なので、金額をつまびらかにするのは憚られるが、4桁とだけ言っておこうか。 3000円を投資して、ペイするだけでなく、ゲインして…

乱視読者の英米短篇講義

乱視読者の英米短篇講義作者: 若島正出版社/メーカー: 研究社発売日: 2003/07/11メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 21回この商品を含むブログ (20件) を見る昼休み、あまり他の部署の人が利用しない、洗浄室のドアから建屋の裏に出て、自…

ミュリエル・バルベリ

「至福の味」でデビューしたミュリエル・バルベリは、いつのまにか京都に住んでる。 しかも、第二作は前作を上回る売り上げだそうで、アマゾンによると 2006年にフランス、ガリマール社より小部数で刊行され、目立った宣伝活動が無かったにもかかわらず、口…

閉鎖

ひさしぶりに日曜を無為徒食に過ごした。 東京国際映画祭にでかけてもよかったのだけれど、麻生太郎に先を越されたし。 BBSを何の挨拶もなく閉鎖した。このサイトを立ち上げたときには、連帯というほど大げさではなくても、バイク乗りのゆるやかなつなが…

エレンディラ

エレンディラ (ちくま文庫)作者: ガブリエルガルシア=マルケス,鼓直,木村栄一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1988/12/01メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 61回この商品を含むブログ (148件) を見る夜勤明けの土曜日をいかに過ごすか。これは、健康管理…

告白

告白作者: 湊かなえ出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2008/08/05メディア: 単行本購入: 25人 クリック: 692回この商品を含むブログ (755件) を見る中学生と女教師が繰り広げる、マカロニウエスタンを思わせる復讐劇。ラストシーンなんて多分映画化したら効果…

きのうの世界

きのうの世界作者: 恩田陸出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/09/04メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 23回この商品を含むブログ (118件) を見るしばらく恩田陸にはまろうかと思って。 ただ、この最新作は、前半のワクワク感に較べると、後半はややばて…

ユージニア、北斎のDNA

ユージニア (角川文庫)作者: 恩田陸出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2008/08/25メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 21回この商品を含むブログ (148件) を見るこの本に携わった人たちは、本の楽しみ方を知っている。 美しく流れていく旋…

横浜トリエンナーレ

今年の横浜トリエンナーレの会場の一つになっている三渓園は、神奈川に越してきたときから、いつかは訪ねたいと考えていた。 中谷芙二子の「雨月物語」は、滝から川に沿って流れ出している人工的な霧が作品なのである。朝の九時から一時間以上もそこにいたが…

回教概論

回教概論 (ちくま学芸文庫)作者: 大川周明出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/08/06メディア: 文庫 クリック: 11回この商品を含むブログ (7件) を見る上記の本を読み終わった。 われながらなんでこんな本を読んでいるのか意味が分からない。 大川周明と…

三十石

「三十石は夢の通い路でございます」 昔、テレビで聴いた枝雀のさげが、記憶の底からにじみ出てきた。 今日は雀三郎と昇太のふたり会なので、有給休暇を消化するつもりにしていた。しかし、状況が許さないのと、幸か不幸か状況判断がちゃんとできるのとで、…

アンジェリーナ・ジョリー

ワニを観てきた。「WANTED」。 仕事がすんなり終わったし、雨もあがったしで、そのまま帰宅するのが惜しい気がしたのだ。海老名のTOHOシネマズでいい感じの時間に始まるのも調べてはいた。 しかし、いかがなもんですかね。アンジェリーナ・ジョリ…

不連続の世界

不連続の世界作者:恩田 陸出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2008/07メディア: 単行本最近のアメリカ映画について、小林信彦が「こんなにアイデア不足の時期はなかったと思います。」と書いている。 「いずれにせよ、映画のネタがない。だから、子供向きの「××…

寝ずの番

現在、「次郎長三国志」が封切中の、マキノ雅彦第一回監督作品「寝ずの番」をDVDで見た。 あるテレビ番組で笑福亭鶴瓶が、「言葉だけでR指定」と笑っていた。鶴瓶自身も出演している。 中島らもの原作は読んでいる。あれを映画化するのは、「ガダラの豚…

むかしの味

むかしの味 (新潮文庫)作者: 池波正太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1988/11/30メディア: 文庫 クリック: 10回この商品を含むブログ (39件) を見る九月ももう終わり。秋めいて当然だが、ここ何年か、少なくとも私が関東に来てからは、長引く夏がつづいた…

最後の初恋

これは昨日お話した浮世絵「猫の當字」の一枚「たこ」。パブリックドメインに入っているのは確実だと思うので、スキャンしてアップすることにした。 「ねこ」が「たこ」とからまって「たこの字」になっている。こういう絵を描く人がいて、こういう絵を楽しむ…

ベルギーロイヤルコレクション

私はまだこのあたりの距離感がつかめていない。 ベルギーロイヤルコレクションを見るため、浮世絵太田記念美術館を訪ねたのだが、原宿というところは意外に近かった。「意外に」というのは、心理的距離に較べると、物理的な距離の方が近かったという意味。開…

秋野不矩 補遺

秋野不矩は、天竜川の近くで生まれた。今、個人美術館が浜松にある。建築家は、路上観察学会でおなじみの藤森照信。茅野にある「神長官守矢資料館」を気に入り、設計を任せたそうである。神長官守矢資料館はインドの民家そっくりだそうなのだ。 この情報は、…

秋野不矩

昨日リストアップした展覧会のうち、一番交通の便の悪い葉山の「秋野不矩展」に出かけた。 台風一過というと、普通、晴れるものなのである。 今朝少し雨が残っているなと思ったけれど、そのうち晴れるのだろうと油断していたら、終日激しい雨が止むかと見せ…