2010-01-01から1年間の記事一覧

ハンブルク浮世絵コレクション 

よいお天気のせいか、思ったより人が多かった。 もちろん、表参道にあふれる人の波に比べればなにほどのこともないが。 鈴木春信の<寄山吹>。 片手で上げた御簾をおろすのももどかしく、少年を後ろから抱き寄せる女、少年は縁側に腰掛けたまま、女の胸にも…

ハンブルク浮世絵コレクション、南宋の青磁

メドベージェフ大統領の、国後島訪問

今回のメドベージェフ大統領の、国後島訪問の背景には、去年の麻生政権の拙劣な対応がある。 新聞やテレビは、自分たちがジャーナリズムの主要な存在であるという自負があるなら、その背景に注意を喚起するくらいはしてもよさそうなものだ。 そもそもメドベ…

『江戸の想像力』

江戸の想像力―18世紀のメディアと表徴 (ちくま学芸文庫)作者: 田中優子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1992/06/01メディア: 文庫 クリック: 19回この商品を含むブログ (6件) を見る 電子書籍は普及するのだろうか? まだよくわからないけれど、ただ、いつ…

国家主義者が、反・知性主義になるのはなぜか

日中首相会談ドタキャンのみならず、最近の中国を見ていて、再認識させられるのは、民主主義の価値が、21世紀の今になっても、少しも古びていないという驚きだ。 普天間問題で、一時は疎遠になりかけていた日米関係だが、前原誠司とヒラリー・クリントンは…

昔日のママゴトなど

野田秀樹は「たぶん、自分がその最後の世代だと思うが」、内ゲバで学生が殺される現場を目撃したと、ラジオで話していた。 今の若い人たちは知らないかもしれないが、当時の東大生は‘ホントに’殺しあっていた。 野田秀樹の目撃談によると、標的になる学生を…

矢野絢也叙勲

闇の流れ 矢野絢也メモ (講談社+α文庫)作者: 矢野絢也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/10/21メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 15回この商品を含むブログ (6件) を見る 仙谷由人が国会答弁で「柳腰」と言ったのは誤用だろうという意見がもっぱらだ。 …

『オアハカ日誌』

[asin:4152085479:detail] この著者、オリヴァー・サックスの別の著作のついでに買った本だけれど、こちらが先になった。 著者の本業は脳神経科医で、映画化された『レナードの朝』など、専門分野と重なる著作が(当然ながら)多いのだけれど、この本はまっ…

上杉隆と立花隆

いまさら私が紹介するまでもないが、ダイヤモンド゛on Lineの上杉隆のコラムは、新聞やテレビが黙殺している事実を知るためにとても有用な存在になってきている。 例の大阪地検の証拠捏造事件をめぐる、ちょっとしたどたばた喜劇については、もう、い…

日曜美術館のドガ

うっかり今週の日曜美術館を録画し忘れた。ありていにいえば寝過ごした。 横浜美術館でのドガ展を特集していたようだ。 途中から見ただけなので、まったくの聞きかじりになってしまうが、あの<エトワール>の左上隅、舞台袖に身を潜めるように描かれている…

似たもの同士

日本では反中国デモ、中国では反日デモ。 日本海をはさんで、盛り上がっているのは、前時代的な国家主義者という、似たもの同士だけだ。 天安門事件のとき、迫りくる戦車の前に立って、両手を広げた若者がいたのを忘れられない。 それにひきかえ、今のこのデ…

織部が愛した茶碗

ひさしぶりに、大はずれの映画を見てしまって、そのまま帰るのが後味の悪いこともあり、近くの畠山記念館に、古田織部の愛蔵した、割高台の高麗茶碗を訪ねた。 畠山記念館の庭は、楓の古木がみごとで、紅葉のころはいいかもしれない。 障子越しの秋の木漏れ…

織部が愛した茶碗

『終着駅 トルストイ最後の旅』

終着駅―トルストイ最後の旅 (新潮文庫)作者: ジェイパリーニ,Jay Parini,篠田綾子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/08/01メディア: 文庫 クリック: 9回この商品を含むブログ (6件) を見るジェイ・パリーニの著者あとがきは、冒頭いきなり、この小説が「フ…

根津神社

上記のふたつの展覧会を、だいたい午前中でまわって、上野にシャガールを観にいった。この週末で最後なのだ。 だけど、これが来て見てビックリ。新国立美術館でやっていた、オルセー美術館展を思い出させる、大行列なのだった。 ちょっとシャガールをなめて…

ハンブルグ浮世絵コレクション

原宿の太田記念美術館で、これは、期間中、二度の展示替えがある。しかも、各会期ごとにほぼ全点入替だそうだ。小さな美術館なので。 以前、鈴木春信と鳥居清長をくらべて、鈴木春信の方が好きだと書いたし、今でも、その気持ちは変わらないのだけれど、やは…

円山応挙

三井記念美術館で円山応挙展。昨日から。 途中展示替えがある。 今、展示されている<雪梅図>は、ふだんどことかのお寺にあって非公開だそうなので、見ておくに如くはなし。 一説には、応挙はこの絵を、弟子の長澤芦雪に託して届けさせたという。 芦雪は、…

円山応挙、ハンブルグ浮世絵コレクション、根津神社

法治国家?

中国に拘留されていた最後の人質(?)が解放されたのは、どうやら、劉暁波という人のノーベル平和賞受賞と関係があるらしい。 こんどの尖閣諸島のことでは、中国が法治国家ではないという事実を、世界が再認識するという結果になった。 那覇地検が、中国に…

朝から秋の雨音につい寝過ごしてしまい、そのまま一日うつらうつらと過ごした。 孫正義に救済してもらった電話会社に頼んでおいた機種変更の電話が届いた。Wーzero3 HYBRIDというやつ。 まだ使い方がよくわからない。

『原稿零枚日記』

原稿零枚日記作者: 小川洋子出版社/メーカー: 集英社発売日: 2010/08/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 34回この商品を含むブログ (49件) を見る主人公が作家で、私小説を模した作りになっているのが、小川洋子の小説としてはめずらしい。 小説を書く…

後記

マスコミとリーク記事について書いた矢先に、NHKの記者による捜査情報の漏洩がニュースになった(8日)。 ただ、疑問に思うのは、この記者が警視庁の家宅捜索についてのメールを送ったのは7月7日。もうとっくに野球賭博が問題になっている時期なので、…

「殴るぞ」と自白迫る録音公表

神奈川新聞に面白い記事があったので、他の地方の方たちにもちょっと紹介しようと思いたつ。 元ネタは、共同通信社なので、他のメディアでも話題になっているだろうけれど。 「殴るぞ」と自白迫る録音公表 大阪、弁護団が告訴へ - 47NEWS(よんななニュース…

映画「悪人」について追記(ややネタバレ)

たとえば、ヒトラーを‘あわれな歴史の被害者’と弁護することも、イエス・キリストを‘二千年に及ぶ宗教戦争の責任者’と非難することも、どちらもとても簡単だ。「悪人は誰か」の議論は、永遠に終わらない。 なぜなら、悪は、自覚的な概念としてしか機能しない…

『竜が最後に帰る場所』

竜が最後に帰る場所作者: 恒川光太郎,くまおり純出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/09/17メディア: ハードカバー購入: 2人 クリック: 24回この商品を含むブログ (31件) を見る『夜市』で鮮烈なデビューを飾った、恒川光太郎の短編集。 『夜市』以後のもい…

『昭和16年夏の敗戦』

昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)作者: 猪瀬直樹出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2010/06/25メディア: 文庫購入: 23人 クリック: 88回この商品を含むブログ (68件) を見る石破茂が、管直人に一読を勧めたことで話題になった、猪瀬直樹の1983年の著作。…

「悪人」

映画「悪人」。 この原作を読んだとき、想像したよりはるかにストレートなラブロマンスであることに驚かされた一方で、‘悪’というテーマはどこにいったんだろうと、はぐらかされた思いがしたのだった。 映画の評判はよかったが、マスコミの前評判とか、どこ…

古賀春江

快晴。 だが、十月なので、あえて長袖を着て、こういうよい天気の日でないと、出かけようという気が起こらない、神奈川県立美術館の葉山別館にでかけた。 ‘古賀春江の全貌’という展覧会が開かれている。 この人は、38歳で亡くなったそうだ。 こないだの稲…

小林信彦の「本音を申せば」

何度も繰り返して書いてきたとおり、私が週刊文春を購読するのは、小林信彦のエッセーを読むため。 それにしては(と我ながら思うが)、このブログで、ずいぶんと反論めいた感想を書き付けていたりする。 特に、政治的な話題については、ほとんど考えがま逆…

外務官僚が日米外相会談を無視していた

日本の検察は、無罪の日本人を陥れるためには、知恵のかぎりを尽くすのに、‘現行犯’で逮捕した中国人の船長は、無条件に釈放する。 しかも、釈放の前日の、前原誠司とヒラリー・クリントンの会談では、 「東シナ海には領土問題はない。国内法で粛々と対応する…