2012-01-01から1年間の記事一覧

点鬼簿

桑名正博が死んだ。59歳。 大阪のお金持ちのボンだったことは知っていたけれど、桑名興業の‘七代目’というからお金持ちというより‘素封家’なんていう古い言葉のほうがしっくりくるのかもしれない。 お父さんが亡くなった後、傾きかけた家業を継いだまでは…

週刊誌なんて、見出しで喰ってるんだろっ

朝日新聞社が鬼畜集団であるについてわたしは何の異論もない。鬼畜集団だろうよ。 見出しが「ハシシタ 奴の本性」って、これでは 「私たち朝日新聞社は部落差別主義者であることをここに宣言します」 と言っているのと同じでしょ。完全な差別主義宣言であり…

『リヴァイアサン』、『一週間』

リヴァイアサン (新潮文庫)作者: ポールオースター,Paul Auster,柴田元幸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/11/28メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 176回この商品を含むブログ (91件) を見る この週末はいくつかの映画と展覧会を観にいくつもりにしてい…

石原新党について

石原慎太郎が都知事を辞めて新党を結成した、というニュースをわたしが聞いたのは、ひさしぶりに富山の本社から人が来て機械の調整中、待ってましたとばかりにもう一台の機械が壊れ、くわえて派遣社員が大きなミスをする、といったごたごたの最中。つまり聞…

巨匠たちの英国水彩画展

Bunkamuraミュージアムで、マンチェスター大学ウィットワース美術館所蔵「巨匠たちの英国水彩画展」。 J.M.W.ターナーのよいものが期待した以上に多く、ひそかに色めいた。 ターナーは油彩画ももちろんよいのだけれど、画家としての核は水彩…

ポール・オースターのニューヨーク三部作

明らかな冤罪事件を「誤認逮捕」としか報じない日本のマスコミに呆れている。権力を監視する責任意識が彼らにあれば、村木厚子冤罪事件をうけて、捜査の可視化をうながすキャンペーンくらいあっていいはずだったが、知ってのとおり沈黙を守って嵐の過ぎるの…

自主憲法と本地垂迹

東京維新の会が、都議会で、現憲法を廃し明治憲法を復活させようともくろんだことで、石原慎太郎やその周辺がよく口にする‘自主憲法’なるものの正体が、じつは明治憲法にすぎなかったということがわかって笑っている。 明治憲法が‘自主憲法’なの? もし、現…

『ディミター』

ディミター (創元推理文庫)作者: ウィリアム・ピーター・ブラッティ,白石朗出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2012/09/21メディア: 文庫 クリック: 20回この商品を含むブログ (24件) を見る 映画「エクソシスト」の原作者、ウィリアム・ピーター・ブラッテ…

月岡芳年の「うぶめ」、篠山紀信「写真力」

日曜日は秋の雨。まだからだが完全ではないので出掛けなかったけれど、土曜日、渋谷で「桐島、部活やめるってよ」を観た朝、原宿の太田記念美術館で月岡芳年を観てきた。太田記念美術館のばあい、来場者が多いか少ないかがわかりやすいのは、ここはふだん靴…

国際連合と連合国

今週の週刊文春からは、きのうの小林信彦だけでなく、ぜひとも紹介しておきたいことがいくつかあった。ほんとは、発売日の木曜あたりに書ければよかったのだけれど、わたしだって仕事があるんだし、腰痛ひどいし。 宮崎哲弥の連載が30回を超えててこれは時…

「桐島、部活やめるってよ」

小林信彦の週刊文春の連載なんだけど、このところものが憑いたかのように「桐島、桐島・・・」なのである。もう2回観にいって、こんどまた観にいくつもりだそうだ。 そこまで言われたら、わたしも観にいきますよ、そりゃ。 もともと9月1日に観にいくつも…

『その日東京駅五時二十五分発』

その日東京駅五時二十五分発作者: 西川美和出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/07/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 17回この商品を含むブログ (10件) を見る 三日間、ムアツ布団の上で寝暮らしても痛みが取れないので、一日だけ休みを取って、翌日…

山中教授の話題

ノーベル賞を受賞した山中教授だけど、大川総裁に似てる。 ↑山中教授 ↑大川総裁 これ、わたしが発見したかと思ったら、すでにネタとして古くなってるみたい。ネットの世界は広大だわ。

腰が立たないので読書

せっかくの三連休で、ようやく秋らしくなってくる十月はすきな月なのだけれど、この土曜日に半日ほど休日出勤をして仕事を片付けようとしたら、何のバチが当たったのか、ぎっくり腰をやってしまって、休みの三日間は、家を出ず、めしも食わず、ぎっくり腰を…

「空気人形」「花よりもなほ」

見逃していた是枝裕和作品をふたつDVDで。西川美和の「夢売るふたり」がよすぎたので、お師匠さんの映画について、「歩いても、歩いても」と「奇跡」は劇場で観たけど、ちょっとスルーしすぎているかなと思って。 それと、先日の鋤田正義展で、「花よりも…

鋤田正義展

渋谷で映画を観たついでに、恵比寿の東京都写真美術館で鋤田正義展‘SOUND&VISION’がこの週末までなので。 デヴィッド・ボウイ、マーク・ボラン、サディスティック・ミカ・バンド、シーナ&ロケッツ、YMO、忌野清志郎、観にいくこちらの気持は…

「これは映画ではない」

シアターイメージフォーラムで「これは映画ではない」。 イラン映画では、ことしはなんといってもアスガー・ファルハディ監督の「別離」がすばらしかったのだけれど、アッバス・キアロスタミ監督の「ライク・サムワン・イン・ラブ」が、えーっ・・・という、…

『ハドリアヌス帝の回想』

ハドリアヌス帝の回想作者: マルグリット・ユルスナール,多田智満子出版社/メーカー: 白水社発売日: 2008/12/16メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 23回この商品を含むブログ (30件) を見る マルグリット・ユルスナールの『ハドリアヌス帝の回想』を読み終…

中国の「反日暴動」がアメリカでほとんど報道されない理由

習近平=パネッタ会談の意味と尖閣問題 | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイトはてなブックマーク - 習近平=パネッタ会談の意味と尖閣問題 | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト …

「法廷で見たiPhone誕生の舞台裏」という記事

ニューズウィーク日本版の今週号に「法廷で見たiPhone誕生の舞台裏」という記事。 iPhone design: Documents from the Samsung trial reveal more than ever about Apple’s secretive design process. - Slate Magazineはてなブックマーク - iPhone design: …

ジェームズ・アンソール、ポール・デルヴォー

新宿の損保ジャパン東郷青児記念美術館で、ジェームズ・アンソール、府中市立美術館でポール・デルヴォーというベルギーを代表する画家の展覧会が開かれていて、どちらにも出掛けたのだけれど、ジェームズ・アンソールの絵には、今回はあまり惹かれるものが…

小沢昭一的こころ

小沢昭一が入院して「小沢昭一的こころ」の収録を休む。83歳だそうだ。 おんなじ感想を持つ人がいるかどうかわからないけれど、もう‘休む’んじゃなくて辞めたら?と思うんだけど、どんなもんだろう。 たぶん、森光子の「放浪記」あたりから、芸能界に押し…

『ここは退屈迎えに来て』、『Baby’s in Black』

ここは退屈迎えに来て作者: 山内マリコ出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2012/08/24メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 100回この商品を含むブログ (68件) を見るベイビーズ・イン・ブラック THE STORY OF ASTRID KIRCHHERR & STUART SUTCLIFFE作者: アルネ…

「スリープレス・ナイト」、「ライク・サムワン・イン・ラブ」

映画2本。 ひとつめはアッバス・キアロスタミ監督の「ライク・サムワン・イン・ラブ」。 これはまぁ‘どうしてこうなっちゃったの?’と成立事情を尋ねたくなる出来映え。 それでも前半はまだ、良くもないけど悪くもない、くらいなんだけれど、途中から収集つ…

ジャン・シメオン・シャルダン

三菱1号館でジャン・シメオン・シャルダンの展覧会が開催されている。 図録にいろんな人のシャルダンについての言及が網羅されていて、これが面白かった。中にドニ・ディドロが紹介しているシャルダン自身の言葉を、すこし抜粋すると ・・・・・それが私た…

いつか見た悪夢

中国、韓国の「過剰な愛国心の叫び」が招くもの|田中秀征 政権ウォッチ|ダイヤモンド・オンラインはてなブックマーク - 中国、韓国の「過剰な愛国心の叫び」が招くもの|田中秀征 政権ウォッチ|ダイヤモンド・オンライン 吹き荒れる抗議デモの現場に身を…

原発は安全でエアコンが危険?

スマホでエアコン操作 パナソニック断念の不可思議 :日本経済新聞はてなブックマーク - スマホでエアコン操作 パナソニック断念の不可思議 :日本経済新聞 上のニュース見てびっくりした。 中国の反日デモでパナソニックの工場が襲われているらしいけれど、…

「鍵泥棒のメソッド」

「運命じゃない人」「アフタースクール」の内田けんじ監督最新作。 「夢売るふたり」を観た直後だっただけに、自分の目が‘からく’なっているんじゃないかと心配したけれど、全くの杞憂だった。お見それしましたという感じ。いま日本の映画が面白いわ。「アベ…

その遊びの本気さに

いきなり訂正でなんともしまらないんだけど、ポール・オースターの翻訳は芝山幹郎ではなかった。柴田元幸。‘芝’しかあってないじゃないか!と突っ込みたいところだけど、‘芝’もあってない。 こういうの、わたくしほんとによくあって、ディヴィッド・ホックニ…

「夢売るふたり」をめぐって

ほぼ日刊イトイ新聞に、「夢売るふたり」をめぐって、糸井重里と西川美和監督の対談が、好評連載中みたい。 ほぼ日刊イトイ新聞 - ややこしいからすばらしい。はてなブックマーク - ほぼ日刊イトイ新聞 - ややこしいからすばらしい。 前作の「ディア・ドクタ…