2014-01-01から1年間の記事一覧

テレビの話ふたつ

帰省してる。 ので、テレビを観る。 昨日、浜田雅功ので番組で、中川翔子が俳句を詠んでいた。箱根の、たぶん、仙石原のすすきの写真を見て一句というお題なのだけれど、 飼猫の背中のような夕すすきていうなかなかの佳句だった。他のメンツがひどすぎたので…

菊池寛、難波田史男、北大路魯山人

この12月は仕事に忙殺されていた。10日もブログを更新しなかったのは、久しぶりなんじゃないかと思う。書きたいことはいっぱいあったんだけど、書きたいことをそのまま書くのはなぜかむずかしく、うっかりすると、書いているうちに書きたいことじゃなく…

「ゴーン・ガール」

「ゴーン・ガール」と‘オウン・ゴール’は響きが似てる(でもないか)。 監督のデヴィッド・フィンチャーは「ソーシャル・ネットワーク」を撮った人だ。あの映画はよかったとおもう。というか、もちろん、世間でも大ヒットしたんだけど、福田和也が「ありきた…

「6才のボクが大人になるまで。」

年の暮れは、私のようなものでさえ、さすがに忙しく、ブログの更新も覚束ないが、「6才のボクが、大人になるまで。」という映画がよかったので書いておきたい。 監督はリチャード・リンクレイターという、「ビフォー・ミッドナイト」とかのイーサン・ホーク…

日本の政治報道そのものが国民の信を失っている

先日も書いたように、この選挙は、解散した時点ですでに安倍晋三の勝ちだった。期日前投票で済ませたが、今回は白票にしようかと思ったほどだった。対立の構図が、選挙の選択肢と一致していないのは明らかだと思えた。 今回の選挙で、みんなの党が消滅し、民…

「天才スピヴェット」

「アメリ」っていう映画、細かいことはもう忘れたけど、いい映画だった感触みたいのは残っている。ラストにでてくるモビレットっていうペダル付きのバイク、瞽女の絵で有名な斉藤真一が、フランス留学中に小旅行を試みたときの相棒があれだった。それから、…

ホイッスラー展

土曜日は、厚木で「リスボンに誘われて」を観た後、横浜美術館のホイッスラー展に行った。初日なので、もっと混んでいるかと思ったら、そんなでもなく。日本では27年ぶり、世界全体でも20年ぶりの回顧展だそうだ。 ホイッスラーはジャポニズムの画家とし…

「リスボンに誘われて」

アミュー厚木に、映画.comシネマができてから、見逃した映画が観られてありがたい。 「リスボンに誘われて」がやってたので観にいった。これは、いい映画そうだなって匂いがしていたのだが、そういう自分の嗅覚を信じるか信じないか、って思っているうち…

この解散はつまり

このところ、ノートパソコンを開くと眠たくなるので、ちょっと更新をサボった。 選挙の話。 この解散は、つまり何なのか、理解できなかった、というのも、わたしは、消費税増税には、そもそも8%でさえも反対だったので、10%にあげるなんて、そんなとん…

ひつじの画像

昨日、来年の年賀状候補として、ミレーとセガンティーニを貼り付けたけれど、あのあとちょっと探してみたら、他にもいくつかひつじの絵が出てきたので紹介する。 これもセガンティーニだけど、昨日のより晴れやかで年賀状向きかも。 こちらは、ジョウゼフ・…

国宝展、ウフィツィ美術館展、東郷青児展

ホドラーを観にいった日に、東京国立博物館の国宝展にも行った。ただ、あそこはいつものすごい混雑。ほんとに鑑賞したければ、早朝に出掛けるにかぎる。混雑が常態化しているわけだから、展示ももっと高い位置に額装するとかの工夫はあってよい気がする。 今…

「神様の言うとおり」

いま、アドルフ・フォン・ハルナックの『キリスト教の本質』を読んでいるところ。昔、岩波文庫に入っていたころに、読もうとして探したら、ちょうど絶版になったころなのか、手に入らなかった記憶があるのと、今回の新しい翻訳の解説をちらっと見たら、森鴎…

小沢=サムラゴーチ序論

世の中ってさ。 今週の週刊文春、宮崎哲弥の「時々砲弾(毎度いうのも何だけど、これ「時事放談」のもじりなんですよね)」に、今春出版された『日本政治 ひざ打ち問答』という本が紹介されていたんだけど、そのなかに、小沢一郎の『日本改造計画』を書いた…

仁清・乾山、デ・キリコ、ホドラー

日曜日は、「仁清・乾山と京の工芸 風雅の器」を観に、出光美術館へ。静嘉堂文庫美術館で仁清の「色絵吉野山図茶壺」を観てから、晴れた空と仁清が結びつくようになった。 日曜日は、そんな快晴だった。 政治の中心が江戸に移るようになってはじめて、ブラン…

「紙の月」

吉田大八監督を最初に認識したのは、西原理恵子原作の「パーマネント 野ばら」だった。菅野美穂主演で、その脇を固めた池脇千鶴と小池栄子がすばらしく、母親役の夏木マリも含めて、登場人物全部がホンネ全開で生き生きしている、わかりやすく楽しめる映画だ…

『昭和の犬』、トーベ・ヤンソン展、スーラージュ

昭和の犬作者:姫野 カオルコ発売日: 2013/09/12メディア: 単行本 姫野カオルコの『昭和の犬』を読んだ。 昭和33年生まれの女性が主人公で、祖父母と間違われるほど年が離れている両親という設定が‘みそ’というか‘きも’というか。 というのは、そうでないと…

ザハ・ハディド

Zaha Hadid: 1950 the Explosion Reforming Space (Taschens Basic Architecture)作者: Philip Jodidio出版社/メーカー: Taschen America Llc発売日: 2012/07/08メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログを見る 初台にあるオペラシティアートギャラリー…

朝日新聞の自画像

慰安婦問題のもうひとつの側面は、安倍晋三と朝日新聞の確執だ。それは、岸信介と全共闘世代の代理戦争としての側面だ。 このところ、あちこちで目にする論評に、「吉田証言は、専門家の間では嘘だとわかっていた。」というのがある。専門家でない私としては…

マルタ・アルゲリッチ

昨日は11月1日。土曜と1日が重なったが、しかし、だからといって、観たい映画もないのに出掛けるのもどうかということだし、前みたいに1000円じゃなくて1100円なので、何かそんなでもない気分だが、それでも、1日というと、何となく映画の情報…

脱原発は脱官僚なしでは実現できない

電力会社が再生エネルギーの買い取りをやめる事例が相次いでいるようだが、こんなのはあの2011年当時からの既定路線だろう。 再生エネルギーの買い取り価格が異常に高すぎることを不審に思っていたのはたぶんわたしだけではないだろう。 メガソーラーを…

『戦争が遺したもの』

戦争が遺したもの作者: 鶴見俊輔,上野千鶴子,小熊英二出版社/メーカー: 新曜社発売日: 2004/03/11メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 31回この商品を含むブログ (89件) を見る 今日は腰痛が再発したのででかけなかった。 小熊英二が上野千鶴子を誘って鶴見…

「誰よりも狙われた男」

今週は職場でろくでもないことがあり、いやな思いを引きずっていた。私は怒りを抑えるすべをなかなか学べない。 そのせいでは、まったく、ないけれど、TOHOシネマズららぽーと横浜のチケットをvitで予約していたのに、映画館に足を踏み入れてはじめて…

『バーナード・リーチ 日本絵日記』

この夏、日本民芸館で濱田庄司の展覧会を観た。 日本民芸館は閑静な住宅地にあり、二階の窓を開け放てば、きっとよい風が通りそうだけれど、その窓ははめ殺しにしてあって、そうなると、空調を効かせても少し暑い。 たぶん、そのあたりに買ったと思う、バー…

「誤解」についてのまともな議論

ニューズウィーク日本版のWEB版に、冷泉彰彦と池田信夫のふたりが「慰安婦問題」について書いているコラムを読み比べると面白い。 冷泉彰彦のは‘朝日「誤報」で日本が「誤解」されたという誤解’というもの ↓ 池田信夫のは、‘世界に広がった「性奴隷」の誤…

ミレー展

府中市美術館と三菱一号館で、別々の企画だが、ともにミレー展が開催されている。 ジャン・フランソワ・ミレーは、日本が近代化に向けて歩き始めたごく早い段階から紹介され、愛されてきた。西洋の絵画にはじめて接した日本人が、数多ある西洋画の巨匠の中か…

谷中安規展 1930年代の夢と現実

町田の国際版画美術館に谷中安規の回顧展を観にいった。 この人の版画にはごく若い頃から親しんでいる。それはたぶん萩原朔太郎が好きだったから、恩地孝四郎、田中恭吉といった同時代の版画家とともに、この人の作品も自然に目にしていたのだろう。なんとい…

みうらじゅん遅刻

週刊SPA!に、グラビアン魂というグラビアをさかなにみうらじゅんとリリー・フランキーがうだうだ喋るページがあるのだけれど、その収録現場に、リリー・フランキーじゃなく、みうらじゅんが遅刻したらしい。 それで、途中までリリー・フランキーの問わず…

『春画』

春画作者: 椎名誠出版社/メーカー: 集英社発売日: 2001/02メディア: 単行本 クリック: 26回この商品を含むブログ (1件) を見る 日曜のこのあたりは台風を後に控えた大雨で、土曜も出勤で意気阻喪していた私は、どこにもでかけず、食事も宅配ピザですませて、…

慰安婦問題こそ戦後秩序に対する挑戦

まず、ちょっと本題と関係のない話をするが、山谷えり子というなんとか大臣の国際記者クラブでのインタビューを、ユーチューブで見た。個人的な感想だが、白痴かと思った。 在特会は、「悪」であるよりも「幼児的な退行現象」なのであって、これは悪よりさら…

「ジャージー・ボーイズ」「悪魔は誰だ」 ネタバレ満載

クリント・イーストウッドの最新作「ジャージー・ボーイズ」を観た。 これは、週刊文春のレビュアーが全員満点をつけるという異常事態だったので。 だが、縁起でもない話をさせてもらうと、丸谷才一の「持ち重りする薔薇の花」の読後感を思い出した。あのと…