2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『蒙古襲来』

蒙古襲来作者: 服部英雄出版社/メーカー: 山川出版社発売日: 2014/12/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る ちょっと話題になっているらしい、服部英雄の『蒙古襲来』を読んだ。 私としては、「神風」というファンタジーがどのように生まれ…

等覚院の躑躅、オリンパスStylus SH-2のレビュー

等覚院の躑躅が盛りという記事が新聞に載ったので、新しいカメラの試し撮りに行った。 気がつけばここ何年か写真を撮っていない。撮ろうと思ってカメラを買っては死蔵してばかりいる。これではいかんだろうと気合いを入れて新しいカメラを選び、持ち歩くこと…

「インヒアレント・ヴァイス」

ポール・アンダーソン監督は、ダニエル・デイ=ルイスが主演した「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」が素晴らしく、わたしはあのファッションを真似して、ツナギにジャケットを着たりしていた。 それはともかく、ポール・アンダーソン監督も、クリント・イース…

『つなわたり』

つなわたり作者:小林 信彦出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2015/03/09メディア: 単行本 ツルゲーネフの『はつ恋』という、岩波文庫でいえば☆ひとつくらいの(若い世代はなんのことか分からないだろうけど、シュトルムの『みずうみ』とか、『歎異抄』とか、…

桂文枝 春風亭小朝 東西落語名人会

神奈川県民ホールで、「桂文枝 春風亭小朝 東西落語名人会」を聴いた。 演目は 桂三語 「桃太郎」 春風亭小朝 「男の花道」 桂三歩 「ないしょ話」 桂文枝 「喫茶店の片隅で」 まず、前座の桂三語てふ人の「桃太郎」は、前座というと、場を整えるだけみたい…

「マジック・イン・ムーンライト」

米朝師匠が亡くなったのに、このブログで何も書かなかったのは薄情なようだけれど、米朝師匠の場合は、何年も前から、少しずつ少しずつ準備をなされていたかの感があり、大往生としか言いようがないものを、今さら駄文を書き連ねるのも、何か空々しいとしか…

山口小夜子 未来を着る人

東京都現代美術館で、山口小夜子の展覧会「山口小夜子 未来を着る人」を観にいってきました。 山口小夜子の美しさは今でも色褪せない。タレントやアイドルにも、きれいな人はいっぱいいるけれど、彼女らはむしろみずからすすんで、自分のイメージを消費に提…

「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」は、なにせあの「アメリカン・スナイパー」をおさえてアカデミー賞を獲得した作品なわけだから・・・というわけでもなかったけど、予告編が面白そうな匂いぷんぷんだったし。 いちばんびっくりしたのは…

「ジヌよさらば〜かむろば村へ」

「ジヌよさらば〜かむろば村へ」はみごとだった。 なにがみごとって、音楽にたとえると、まず全体を貫いているリズムセクションに乱れがない。ストーリーテリングのリズムがよく、歩調が乱れないので、役者が気持ちよく遊べる。「のっていける」というやつ。…

アースダイバー

週刊現代で中沢新一が連載している「アースダイバー」が面白いのに、今さら気がついた。 今回は三輪神社についてで、慶円という真言宗の山岳修験僧が三輪明神と互為灌頂を交わした鎌倉初期に、神仏習合は思想的なピークに達したと書いている。 ・・・鎌倉新…

「時代の正体 吹きすさぶ排斥感情」の記事を読んで

「悪とは弱さである」という誰が言ったか知らない言葉を、私が認識したのはまだ学生だった二十代の頃で、それ以来、悪について考えるときの手がかりになっている。善悪の問題を強弱の問題に置き換えて考えるとすごくわかりやすくなる。結局のところ、善きも…