2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「二重生活」「ヒメアノール」「若くして死ぬ」「クリーピー」他

このところ、気持ちが後ろ向きになっていて、あるいは、ただ疲れてか、映画ばかり観ていた。 「クリーピー 偽りの隣人」 「TOO YOUNG TO DIE ! 若くして死ぬ」 「ヒメアノール」 「ダーク・プレイス」 「二重生活」。 5本とも当たりでどれも面白かったが、…

EU離脱と改憲論議

国民投票の結果、イギリスがEUから離脱することが決まった。「すみやかに離脱の手続きに入るように」というEUのすみやかな反応は、民主主義を堅持する立場からまったく正しい。国民投票の結果を覆すことはもちろん、それを軽んじるような素振りですら、民主…

「葛城事件」

赤堀雅秋監督の「葛城事件」。この監督は、日本では少し珍しいかもしれないジャーナリスティックな感性を持っている。といっても、マイケル・ムーア的ではなく、例えて言うと、「扉を叩く人」「スポットライト」のトム・マッカーシー監督の姿勢に似ている気…

生きるアート 折元立身

パフォーミング・アートは、おしなべてくだらない。 もともと「ハプニング」とか「イベント」とかに源流を持つ、そういう社会的アクションが、なんらかの価値を持ちながら、しかし、まだ名づけられない「何か」でしかなかった時代には、それをかりそめに「ア…

「エクス・マキナ」

「エクス・マキナ」は、セクサロイドを描いた映画。A.I.?、知るかよ、そんなこと。 いい女、しかも、極上のいい女がすっぱだかで2時間もウロウロしてるのを、なんなら、自分の彼女と並んで観て、その後、食事しながら感想を言い合ったりして、お互いに「何が…

「さざなみ」

週刊SPA!に峰なゆかが連載中の「アラサーちゃん」つう漫画で、主人公のアラサーちゃんが、「新しく好きな人ができると、今まで好きだった人が急に気持ち悪く感じることあるよね。」「わかるー。元カレとか見ると、なんで今まであんなのと喜んでセックスして…

「或る終焉」

「或る終焉」は、安楽死を扱った映画。安楽死は重いテーマではある一方で、小説、テレビ、映画などで使い古されたテーマでもある。森鴎外の「高瀬舟」なんかをクラスで読まされて、議論なんかさせられたり。 つうわけで、テーマに新味はないわけだし、おまけ…

「或る終焉」、「さざなみ」

「教授のおかしな妄想殺人」

ウディ・アレンの前作「マジック・イン・ムーンライト」を「ウディ・アレンのものとしては少し落ちる」と、小林信彦が評していた。小林信彦の頭の中には映画のビッグデータが保存されているから、そう言われるともう何も言えない。 今回の「教授のおかしな妄…

根津美術館、拙宗等揚

まるで日記みたいな書き出しになるけれど、先週の日曜日は、朝がたうすら寒いし、天気予報は終日曇りがちというしで、ジャケットを着て出かけたが、なぜか、根津美術館の庭に出ているあいだは晴れて、汗をかいてしまった。半そで短パンで散策している外国人…

ヘイトスピーチ解消法成立について

ヘイトスピーチ解消法の成立を受けて、さっそく、川崎のヘイトデモを中止に追い込むなど、罰則規定のない法律ながら、ザル法になることなく、機能し始めているようでひとまずホッとしているが、この成立については、ちょっと気にかかっていることがあるので…

小西真奈、奈良美智、高島野十郎

ところで、先日の続きになるけれど、横浜美術館の常設展は、写真撮影可になっている。日本国内では、そういう美術館はあまりなく、関東では、ここと、東京国立近代美術館と、トーハク、国立西洋美術館のそれぞれ常設展くらいだろうか。 新収蔵品と思うけれど…

複製技術と美術家たち

わたくしあいもかわらず、休みの日になると、美術展に出かける日々なのだけれど、この5月からは仕事がやたらと忙しく、それについて、ここに書くヒマも体力も残ってない状況が続いている。 それでも、とにかく、こないだのルノワールの絶筆だけは、あれを目…