2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

長谷川等伯 晩年の障壁画

永青文庫で長谷川等伯が晩年に描いた南禅寺天授庵の障壁画、全32面を展示している。ただし、狭い美術館なので、ということなのだろうか、前後期に分けて展示される。前期は10月29日まで、後期は10月31日から11月26日までなので、全点観たい方…

驚異の超絶技巧

東京駅近くでお昼になる場合、コレド室町にある「京つけもの西利」で、漬物寿司点心か京漬物御膳かを食べることにしてる。関東にいるとめったに味わえない白味噌の味噌汁がおいしい。通い始めの頃は京のお茶漬け(1080円)が気に入ってたのだけれど、そのう…

キー、コイン、札、カード、スマホ

つい最近、会社で3万円落とした。奇特な人がいて奇跡的に取り戻せたが、自分の中で懸案になっていた、キー、コイン、札、カード問題について、これはいよいよ結論を出す潮時だった。 ネットで古市某が発言して話題になっているが、私もできる限りキャッシュ…

鈴木春信

千葉市美術館は私の所在地からは遠いのだけれど、時々見逃せない展覧会がある。去年の「浦上玉堂と春琴・秋琴 父子の芸術」はずっしり来る展覧会で前後期とも出かけた。「蕭白ショック」という展覧会もあった。ちなみに、曽我蕭白の≪虎渓三笑図≫は、ここの所…

折元立身による折元男代の追悼

コンセプチュアルアートとは、ざっくり言えば、美術評論家が飼ってる犬の曲芸であるといっても大して間違ってないだろう。飼い主が聞くと「ごはん」と聞こえるらしいが、赤の他人が聞くと「ワン」としか聞こえないあのたぐいである。 しかしながら、コンセプ…

Apple Watchで電話できればiPhoneは要らない

もしiPhone Xが魅力的だとしても、強い訴求力はない。購買意欲は湧かない。これは、液晶の端っこがまるまってるGALAXYが出たときにも感じたことで、頑張ったなって思うけど欲しくない。 スマホはもうコモディティー化したのだろう。歯ブラシと同じようなもの…

18世紀の古伊万里

日本民藝館でウィンザーチェアを観た後、戸栗美術館で「18世紀の古伊万里―逸品再発見ll―展」を観た。戸栗美術館というのが渋谷にあるとは知っていたけど、訪ねたのは初めて。渋谷の雑踏がウソみたいに静かなあたりだった。 日本民藝館のウィンザーチェアもそ…

ウィンザーチェア

日本民藝館でウィンザーチェアの展覧会が始まっている。11月23日まで。長野県信濃美術館との共催で、そのせいか日本民藝館の展覧会としては珍しく図録が用意されていてうれしかった。 日本民藝館は、柳宗悦の旧居で、生活感のある建物なんだけれど、そこに1…

「ギミー・デンジャー」

ジム・ジャームッシュがイギー・ポップ&ストゥージズを撮ったドキュメンタリー「ギミー・デンジャー」を、これは公開初日に観に行った。実は、その日の朝、ジム・ジャームッシュ監督の「パターソン」についての記事を書いてたら、出演者の一人である永瀬正敏…

「散歩する侵略者」「ダンケルク」

クリストファー・ノーラン監督の「ダンケルク」と黒沢清監督の「散歩する侵略者」の、映画としての質感の違いはCGなんだろう。私はこの二つの映画のどちらも好きだけど、誰かが片方をすごく嫌いで、片方がすごく好きだとしたら、絵作りに敏感になってしまう…

「三度目の殺人」

是枝裕和監督が、役所広司を迎えて撮った新作は、国境を越えて待ち望んでいるファンがいるってことを納得させられる、充実した出来映え。美術監督を種田陽平が務めた画面は重厚に作り込まれていて、彩度とか、コントラスト、色温度とかまで、間違いなくこだ…

ゴミのリサイクルには必死なのに、住宅は使い捨ての不思議の国

少子化に歯止めがかからず、人口は減り、空き家が増えて問題になっているのに、駅前にまたタワマンが建ってる。mansionとは言うけれど、NYのアパートほどの広さもない、大きめの蟻塚みたいなのがにょきにょき建つわけ。 日本には地域社会がなく、子供の頃は…

「ELLE」フェミニステイック・ハードボイルド

ポール・バーホーベン監督、イザベル・ユペール主演。 ただのエロサスペンスじゃない。内田春菊のレビューが「スカッとします、この映画」ってあったけど、女目線だとそういう見方もできるかも。一方、ニューズウイークの映画評は、名前からすると女性だと思…