アート

吉田直 -今宵きりの光景- 岩崎ミュージアム

横浜に用事があったついでにこの展覧会に立ち寄った。吉田直(よしだなおし)と訓む。検索すると同じ漢字の小説家がでてきたので、小説も書くのかなと思ったけどちがうひとみたい。 展覧会はコロナ禍でだいぶ延期したみたいで、その間にとったYouTubeがあっ…

箱根彫刻の森美術館の桜、宮城野早川堤の桜

高村光太郎《みちのく》https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/knockeye/20220409/20220409230004_original.jpg 秦野の淡墨桜のときに、うっかり「桜が里に降りてきた」と書いてしまったが、あの表現は紅葉の時に言うものを誤用したのだった。桜…

ダミアン・ハースト 桜 観ました

国立新美術館の会場奥で見られるこのインタビューは示唆に富んで面白い。YouTubeにもあるので紹介したい。字幕が出ない場合、画面右上の「cc」というとこを押してください。www.youtube.com まずは現代の芸術家にとって絵を描く「リスク」について。 2012年…

アーティゾン美術館 はじまりから、いま。1952-2022

アーティゾン美術館 はじまりから、いま。1952-2022 アーティゾン美術館にいってきました。 《腕を組んですわるサルタンバンク》パブロ・ピカソ ピカソはその頃付き合っていた女性で画風が変わったとか言われる。しかし、逆に画風の変化に伴って、女の趣味が…

『皮膚を売った男』

ケーン・デ・ボーウの演じる現代芸術家ジェフリー・ゴドフロワがカメラに向かって 「芸術は死んだと言われているが、現代ほど芸術がエキサイティングであった時はない。」 という。 「芸術が死んだ」という常識としつつ、それも含めてなお芸術がエキサイティ…

川端龍子の《竜安泉石》

大田区立龍子記念館で《竜安泉石》を観た。 会場を長方形として、入り口側の短辺のウィンドウケースに展示されていた。その対面側の、河童の絵のところで振り返ってみて《竜安泉石》の全体像が見えた時にハッとした。 屏風として立て回されているのに、まる…

木島櫻谷、嵐山

福田美術館で木島櫻谷(このしまおうこく)の展覧会を観てきた。というか、三ヶ日で開けている美術館は珍しいか。 木島櫻谷は、夏目漱石に酷評されたことで知られている。現在のその知名度の差からして、今から振り返ると、この事件は重大すぎるように感じる…

根津美術館にて鈴木其一、酒井抱一、円山応挙

根津美術館所蔵の鈴木其一の《夏秋渓流図屏風》が重要文化財に指定された記念展が開かれている。 《夏秋渓流図屏風》を中心に据えて、関連する作品を展示していたので、これまであの絵に感じていた変な感じの正体が分かった。 あの絵に特徴的なのは、何と言…

イスラエル美術館展

三菱一号館美術館でイスラエル美術館展を観た。美術展だけでなく結婚式も待ちわびた人が多いらしく、ここの庭ではよくあるのだけれども、花嫁さんが記念写真を撮っていた。 三菱一号館の庭 イスラエル美術館って聞くと、空爆の心配が先に立つくらい、正直言…

ゴッホ展

緊急事態宣言全面解除一日前に、フライイングでゴッホ展に出かけた。つうかまあ、前に言ったように、今週は日曜日から働いてたのでもう限界。金曜日まで待てなかった。それに今は予約制だし。それはそうと、なんか予約制になってから、どさくさにまぎれて美…

『大正名器鑑』の世界 根津美術館と日本民藝館

この週末、根津美術館に予約を入れていた。雨を覚悟していたが、突然に晴れ渡って夏空が露わになった。 根津美術館https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/knockeye/20210710/20210710174705_original.jpg 予想最高気温は33℃だという。長い梅雨空…

ミネアポリス美術館展

サントリー美術館で「ミネアポリス美術館展」を観た。コロナ禍が二年に達して、美術館に行く機会が減り、つい見逃すところだった。いつの間にか再開していたようだ。半信半疑で出かける前に電話して確かめた。 写真OKだったので何点か紹介します。写真下のリ…

中澤弘光

東京国立近代美術館の常設展に中澤弘光の小さな特集があった。 以前、横浜そごう美術館で回顧展を観たとき、いたく感動した《花下月影》があった。東京国立近代美術館は基本的に撮影が許可されているので、喜んで撮ったけれども、写真で再現が難しい。 中澤…

あやしい絵展

翌日の4月25日からまた美術館が閉館することになった。そうとは知らず、その前日の土曜24日に「あやしい絵展」のチケットを予約していた。危うく見逃すところだった。奇しくも、この前の緊急事態宣言の発令の日は、このおなじ東京国立近代美術館にピーター・…

ライゾマティクス_マルティプレックス

www.mot-art-museum.jp 東京都現代美術館に「ライゾマティクス_マルティプレックス」を観に行った。 ほとんどの部屋で静止画の撮影可だったのだけれども、静止画で撮っても伝わらないと思うので。www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com www.youtu…

モンドリアン展

ピエト・モンドリアンの日本での展覧会は23年ぶりだそう。 モンドリアン《線と色のコンポジション:lll》 モンドリアンといえばこういう絵を思い浮かべる。というか、これしか思い浮かばないんだけど、これは最晩年の到達だそうで、初期の頃の具象画も今回は…

与謝蕪村展

ジョン・コンスタブル展にちょっとモヤモヤしたので、勢いで府中市美術館に与謝蕪村を観に出かけた。府中市美術館は予約制にしていないので、こんな具合にコロナ禍以前の訪ね方ができる。 これはカンザクラだけれども、今年も東京では、都市排熱で沖縄より早…

ジョン・コンスタブルの風景と与謝蕪村の山水

三菱一号館美術館で「テート美術館所蔵 コンスタブル展」が開催中。そして、府中市美術館で「与謝蕪村展」が開かれている。 車道の真ん中に立って撮影できる無人の丸の内。コロナ禍?。美術館が開いているのだから、朝早すぎるってわけでもなかったと思うが…

Jeff Koons = Capitalism , Andy Warhol = Populism

まったく余談だけど、『人新世の「資本論」』を読んでて「ジェフ・クーンズ=資本主義、アンディ・ウォーホル=ポピュリズム」という図式が頭に浮かんだ。 ジェフ・クーンズが作り出しているのは人工的な希少性だろうと思う。 ナチズムが欧州を席巻したあと、…

村上隆 in みのミュージック

1週間、また腰をやって寝ていた。歳を重ねるごとにひどくなる。死だけでなく加齢でさえも結局経験しないとわからない。 同病の方にはわかると思うが、一瞬気が遠くなりそうな痛みなので、ブログは書けないみたいですね(書く人は書くんだろうな。正岡子規は…

アーティゾン美術館の続き

アーティゾン美術館について書きながら寝落ちしたのでその続きを。 鈴木其一のサイン こないだの続きってことで、鈴木其一の《富士筑波山屏風》にあるサインは、「噲々其一(カイカイキイツ)」。師匠の酒井抱一の四十九日を過ごしたあと家禄を返上し一代画…

野見山暁治のいま展、琳派と印象派展

野見山暁治≪男≫1969 日本橋高島屋で野見山暁治の展覧会が、この会期が2021年の1月9日から18日までと、わずか9日間の短さなんだけれども、開かれている。 野見山暁治は、画家としてとおなじく、おそらく文筆家としても知られているだろう。わたしは、文章は読…

海を渡った古伊万里 ウィーン、ロースドルフ城の悲劇

大倉集古館に「海を渡った古伊万里 ウィーン、ロースドルフ城の悲劇」を観に行った。 ロースドルフ城は、かつては、古伊万里をはじめ、マイセン、セーブル、ウエッジウッドなど、ヨーロッパ各地の磁器のコレクションで飾られていたが、第二次大戦末期、進駐…

ホータンの飛天像

ホータンの飛天像 東京国立博物館にホータンで出土したらしい飛天像があった。飛天像は、中国にも日本にもいっぱいあるんだけど、こんなセクシーな飛天像は滅多に見ないと思う。ウイグルはもともと美人が多いことで有名だった。 新疆ウイグル自治区をめぐる…

トライアローグ 横浜美術館

横浜美術館でトライアローグ展と題して、富山県美術館、愛知県美術館と三館の所蔵品を持ち合った展覧会が開催されている。 昨日のBunkamuraミュージアムの「ベルナール・ビュフェ展」も、いわばベルナール・ビュフェ美術館の所蔵品をまるごと借りた展覧会だ…

ベルナール・ビュフェ回顧展

Bunkamuraミュージアムで、ベルナール・ビュフェ回顧展が始まった。 ベルナール・ビュフェ美術館はフランスではなく日本にある。熱烈な個人コレクターの存在が大きいが、池田満寿夫も著書の中で、戦後の一時期、ピカソよりもビュフェに魅せられていた時期が…

並河靖之の《七宝山水楼閣文香炉》

並河靖之の《七宝山水楼閣文香炉》https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/knockeye/20201113/20201113060542_original.jpg 並河靖之の《七宝山水楼閣文香炉》https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/knockeye/20201113/2020111306050…

狩野芳崖《山水》

東博の続き。狩野芳崖の《山水》。 狩野芳崖《山水》 狩野芳崖の大回顧展は、京都であったのが大昔で、それから一度も開催されていないと思う。 狩野芳崖は、岡倉天心、フェノロサ、橋本雅邦とともに、明治の日本美術界を支えたひとりで、横山大観、下村観山…

桃山 天下人の100年 於 東京国立博物館

桃山 天下人の100年 「桃山 天下人の100年」てふ展覧会を東京国立博物館で観た。 コロナ禍でどうにも困るのは、今までならふらっと行けた美術館が時間指定の予約制になったことで、特に上野の場合、国立西洋美術館、上野の森美術館、東京都美術館、東…

西村有の個展 Around October

西村有 at KAYOKOYUKIhttps://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/knockeye/20201107/20201107192842_original.jpg 西村有の個展「around October」を駒込のKAYOKOYUKIで観てきた。 KAYOKOYUKIは駒込の駅から徒歩で2〜3分なんだけど、初めてだったの…