アート

伊庭靖子展、三国志展

東京国立博物館で開かれている「三国志展」はすごい人気。ただ、これは、日本人に人気であるだけでなく、中国人に人気みたい。「顔真卿展」のときは、現在、中華人民共和国になく、中華民国でしか見られない書の数々が観られるということと、春節に時期が重…

『アートのお値段』

アートのお値段 The Price of Everything オノ・ヨーコは「アートは、生きるに必要な遊びだ」と言った。 そのアートを売り買いするのは、「遊び」の一部分なんだと思う。 ジェフ・クーンズが自作について話す映像がある。そのあとで、誰だったかが、彼はまる…

夏らしい展覧会をいくつか

あんまり大きく話題にはなっていないけど、日本の夏らしい気分になれる展覧会をいくつか紹介したい。 ひとつめは、太田記念美術館と戸栗美術館が共同で企画している「青のある暮らし」。 今気が付いたけど、太田記念美術館の方はもう期間がおわってる。戸栗…

メスキータ 於 TOKYO ステーションギャラリー

これなんか大友克洋かと思いません?。≪ヤープ・イェスルン・デ・メスキータの肖像≫サミュエル・イェスルン・デ・メスキータ サミュエル・イェスルン・デ・メスキータが1922年に描いたご子息の肖像画で、しかも、木版だそうです。まるで、スクリーントー…

松方コレクション展、モダン・ウーマン―フィンランド美術を彩った女性芸術家たち

美しき愚かものたちのタブロー (文春e-book)作者: 原田マハ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2019/05/31メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る この原田マハの小説は、松方コレクションの顛末を題材にしたものだそうである。 国立西洋美術館、開館…

「遊びの流儀 遊楽図の系譜」 サントリー美術館 おススメの展覧会

キム・カーダシアンが、補正下着のブランドに「KIMONO」とつけようとしたら、なんか言いがかりまがいの抗議が舞い込んだとかで、幸先悪いし、薄気味悪いしで、撤回したという。 しかしながら、日本の和服を「kimono」というのは、そそもそもが英語圏の…

「塩田千春展 魂がふるえる」 3次元に増殖する線

≪静けさの中で≫ 森美術館で開かれている「塩田千春展 魂がふるえる」。 ある作品の、キャプションというのかどうか知らないけど、とにかくそれにこう書いてあった。 塩田千春にとっての「線」が「糸」であるのは興味深い。「線」が三次元に存在すれば、それ…

クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime

クリスチャン・ボルタンスキーの顔は、よくみればまったくフランス人の顔だ。 作品を初めて観たのはワタリウム美術館で、正確なタイトルは忘れたけれど、今回の展覧会で展示されている作品の中の「モニュメント」と題されているシリーズのひとつだったのだろ…

横浜美術館の「Meet the Collection -アートと人と、美術館」

横浜美術館の「Meet the Collection -アートと人と、美術館」がすごくぜいたく。 開館30周年記念という、ただのコレクション展かと思いきや、美術館のキュレーターさんに加え、束芋(たばいも)、淺井裕介(あさい・ゆうすけ)、今津景(いまづ・けい)、…

ルート・ブリュック展

ことしは、日本とフィンランドとの外交関係樹立100周年だそうで、東京ステーションギャラリーでは、前回のアルヴァ・アアルトにつづいて、ルート・ブリュックの展覧会が開かれている。ルート・ブリュック展 東京ステーションギャラリーrutbryk.jp 森アー…

クリムト、エゴン・シーレ、ウィーンモダン

展覧会の混雑には予測のつかないものがある。 国立新美術館で「ウィーン・モダン」を観た後、東京都美術館で「クリムト展」を観るつもりにしていた。「世紀末のウィーン」の一日にするつもりだった。 ところが、国立新美術館の方は行列もなく、けっこうゆっ…

東京都庭園美術館でキスリング展

改元を記念してというわけではないけれど、旧朝香宮邸である東京都庭園美術館にキスリング展に。正直言うと、キスリングなら、GWだろうがたぶん混まないだろうと思っただけ。 藤田嗣治、ジュール・パスキン、マリー・ローランサン、アメデオ・モディリアーニ…

箱根彫刻の森美術館の桜

朝、ウェザーニュースを見ると、快晴になっていたので、衝動的に箱根に出かけた。ウェザーニュースには珍しく、曇ったり晴れたりで、快晴とは言えなかった。山の天気はむずかしいということなんだろう。 ただ、彫刻の森美術館の桜は見ごろ。彫刻の森の桜 箱…

箱根ラリック美術館のサラ・ベルナール

箱根ラリック美術館の「サラ・ベルナールの世界展」を口実にして、箱根にでかけたのだった。サラ・ベルナール展に関しては、何もそんなに遠出しなくても、横須賀美術館にも、松涛美術館にも巡回するらしかった。ただ、ラリック美術館が所蔵するルネ・ラリッ…

ジョン・ルーリー展

≪This is the man who does everything≫ John Lurie ワタリウム美術館でジョン・ルーリー展は、2010年以来の2度目。 ジョン・ルーリーは、ミュージシャン、あるいは役者さんとして、つとに知られた名前なんで、逆に、絵を観るのが趣味の人には、ちょっ…

矢崎千代二、長谷川三郎とイサム・ノグチ

ジョン・ルーリー展(ワタリウム美術館)、アンドリュー・ワイエス展(愛住館)、ギュスターヴ・モロー展(汐留ミュージアム)、アルヴァ・アアルト展(東京ステーション・ギャラリー)、ラファエル前派展(三菱一号館美術館)、千住博展(そごう美術館)、…

ラファエル・ソト at ESPACE LOIS VUITON TOKYO

4月6日の土曜日に大岡川に夜桜見物に行ったのは書いたが、その昼間に、鎌倉にも花見がてらの散歩に行った。実をいうと、その月曜日、4月1日、「令和」という元号が発表された日だが、休みがとれたので、目黒川の桜も観てきた。が、その前に、ラファエル・…

新・北斎展 HOKUSAI UPDATEDなど

先週末は、ずっとペンディングになっていた展覧会ふたつにようやく行くことができた。 ひとつは、森アーツセンターギャラリーでやっている「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」。これは、鶴首して待っていたってほどではなかった。森アーツセンターギャラリーで北…

FACE展 2019 観てきました

新宿の東郷青児記念美術館でFACE展という公募展を観た。今回で7年目だそうである。その前は、なんか別の名前の公募展をやっていたが、それは、全国の美術団体から推薦された画家から受賞者を選ぶっていうスタイルをとっていたのを、7年前に、全くの公募展に…

『ヨーゼフ・ボイスは挑発する』と「社会彫刻」について

ヨーゼフ・ボイスとアンディー・ウォーホルの大きな違いは、アンディー・ウォーホルは商業主義に乗ることにした。というより、アンディー・ウォーホルは、商業主義をこそアートにした。しかし、どうなんだろう。アカデミズムの権威が地に落ちたいまとなって…

小原古邨

太田記念美術館で、小原古邨の展覧会がやってる。太田記念美術館 「小原古邨展」ウエブはこちら この人も、日本より海外で有名だそうだ。 展覧会は、前・後期に分かれていて、全点展示替えがある。前期を見逃した人は残念だったけれど、3月1日から後期展示…

顔真卿の祭姪文稿を中国の人たちに交じって鑑賞する

東京国立博物館では、毎年、「博物館に初詣」っていう企画をやっていて、これに,行ったり行かなかったりしてたのが、今年は何となくいかなかったということもあり、この「顔真卿展」は観に行くつもりにしていた。 書はまったくわからない。し、そもそも読め…

イケムラレイコ 土と星

国立新美術館でイケムラレイコ展を観た。これは、突然、春みたいに暖かくなった日。そんな風に官能が開いている時にふと観たくなる、根源的な部分に触れてくる絵だと思う。 この人は、日本よりも海外での方が、よく知られているそうで、それが嘘でなさそうな…

モダン美人誕生

これはもう先月の半ばごろ、ポーラ美術館で「モダン美人誕生」という展覧会を観てきた。 岡田三郎助を観る機会は少ないのではないかと思って。 ≪あやめの衣≫と ≪来信≫。は、うなじから背中の質感と量感と着物のデザインが絵のモチーフであることがはっきりと…

五島美術館の与謝蕪村

今年はちょっと、紅葉を追いかけるみたいなことをしなかった。桜と紅葉は盛りを見極めるのが難しくて、逃すと悉く逃すってことになりかねないが、去年は、箱根美術館、鎌倉獅子舞、目黒自然教育園、畠山美術館、根津美術館とすべて色づきの良いころに訪ねる…

ルーベンスが描いた父親に乳房をふくませる娘

国立西洋美術館にルーベンス展を観に行った。ルーベンスがイタリアにいた頃に焦点を当てた展覧会だそうだ。 ルーベンスは、工房システムで絵を描いた。そういうシステムを作り上げられるのは、画力と政治力があったからに違いない。しかし、そういうシステム…

バッドアート美術館展

東京ドームシティ、ギャラリー・アーモってとこで開催中の「バッドアート美術館展」を観てきた。 度肝をぬかれたのは この《セーフ》という絵。 という具合に、しりあがり寿さんのコメントも楽しい。野球場には魔物が住むってよく言いますけど、こんな奴だっ…

バロヴィエール一族展

17日、大貫妙子の「風の道」が頭に浮かぶような良い天気だったので、箱根ガラスの森美術館に「バロヴィエール一族展」を見に出かけた。文字通り《風にそよぐグラス》というのがある。展示ではつっかい棒があるが、信じられないけど、自立するらしい。 自立す…

『ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪』

『ボヘミアン・ラプソディー』はどうしてこんなにヒットしてるんだろうと考えてしまうのは世代のせいだろうか。クイーンが伝説のロックバンドだという気がしない。日本ではとにかく女の子に人気があったと記憶している。『オペラ座の夜』のLPは持っていた。…

フィリップス・コレクション展

ワシントンのフィリップス・コレクションが今年で創立100年だそうで、三菱一号館美術館としては、ジャルダンやルドンの展覧会などで、作品を借用してきた縁もあり、館長の高橋明也さんの個人的な関係もあるのだろうけれど、今回、フィリップス・コレクション…