本
春、死なん作者:紗倉まな発売日: 2020/02/26メディア: Kindle版 最近、radikoばっか聴いてて、われながらよくないと。 東京FMで秋元康が始めた生放送のトークショーで、田中慎弥と紗倉まなが互いの自作本について話していた。 それで、紗倉まなの方を読んで…
聖断天皇と鈴木貫太郎 (文春文庫)作者:半藤 一利発売日: 2012/09/20メディア: Kindle版 半藤一利さんが亡くなったと報じる新聞記事にこの本について書いてあったので。 『日本のいちばん長い日』は2度映画化された、半藤一利さんのもっとも知られた仕事だと…
池田千尋監督の『記憶の技法』の前半はちょっと危なっかしい。後半に加速するが、前半は大丈夫かなと思った。 男女高校生ふたりのバディー・ムービーってところなんだが、そのバディーの成立過程にかなり苦労したみたい。自分の過去の記憶を突き止めようとす…
ゲンロン戦記-「知の観客」をつくる (中公新書ラクレ, 709)作者:東 浩紀発売日: 2020/12/08メディア: 新書 今年のお正月は外に出られないので本を読むのですが、この本は、東浩紀の「ゲンロン」をめぐる10年のもがき方が実に面白く、ポスト・コロナはこっち…
超・人間コク宝作者:吉田豪発売日: 2020/09/25メディア: 単行本 吉田豪さんのこの本を拾い読みしている。 というのは、巻頭、コメディーNo.1の前田五郎さんが出てるので。 以前、中田カウスさんの襲撃 中田カウスの1000日戦争作者:西岡 研介発売日: 2009/11/…
本居宣長(上) (新潮文庫)作者:秀雄, 小林発売日: 1992/05/29メディア: 文庫本居宣長(下) (新潮文庫)作者:秀雄, 小林発売日: 1992/05/29メディア: 文庫上田秋成の文学 (放送大学教材)作者:長島 弘明発売日: 2016/03/01メディア: 単行本 今更ながら、小林秀雄…
表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 (文春文庫)作者:若林 正恭発売日: 2020/10/07メディア: Kindle版 椎名誠が「純文学」と評した感じがわかった。いま、純文学を志向して文章を書く人はいない。もちろん、この本も「純文学」を目指してはいない。し…
密やかな結晶 (講談社文庫)作者:小川洋子発売日: 2013/11/22メディア: Kindle版 チャーリー・カウフマンが、小川洋子のこの小説を映画化するそうなので読んでみた。 小川洋子は海外でも読まれるらしく、以前は『薬指の標本』がフランスで映画化されたことも…
椿井文書―日本最大級の偽文書 (中公新書)作者:馬部隆弘発売日: 2020/05/29メディア: Kindle版 馬部隆弘の書いた『椿井文書 日本最大級の偽文書』を読んだ。 江戸時代後期の椿井政隆という人物が、広範囲にわたる偽文書、偽の絵図、偽の家系図、などを大量に…
映画「コリーニ事件」コリーニ事件 (創元推理文庫)作者:フェルディナント・フォン・シーラッハ発売日: 2017/12/11メディア: Kindle版 フェルディナント・フォン・シーラッハのベストセラー小説を映画化した『コリーニ事件』を横浜ブルク13で観た。なお、以…
1968年―― 反乱のグローバリズム作者:ノルベルト・フライ発売日: 2012/04/21メディア: 単行本 1968年が時代の分岐点と語られることは多い。このノルベルト・フライの本の他にも、日本では小熊英二も『1968』という本を書いている。ただ、アレは上下巻合わ…
ちょうちんそで (新潮文庫)作者:江國 香織発売日: 2015/05/28メディア: 文庫 江國香織は、たとえば、須賀敦子とか吉田健一とかとおなじで、とにかく次から次へと読んでいきたい作家のひとり。 この三人に共通しているのは三人とも翻訳家でもあるという点。違…
観のがしていた映画のおさらいシリーズ。 今回は『かもめ食堂』『めがね』。Amazonプライムビデオで無料で配信していたので。かもめ食堂発売日: 2016/06/29メディア: Prime Videoめがね発売日: 2016/06/29メディア: Prime Video 『プール』は、いまはなき横…
号泣する準備はできていた (新潮文庫)作者:香織, 江國発売日: 2006/06/28メディア: 文庫 江國香織が直木賞を受賞した短編集。 短編集と知らずに読み始めたので、最初の一編が終わった時点で「おや?」と思った。もしかしたら短編かと。 全部読み終わった感想…
日本とアメリカ ハーフ・アンド・ハーフ: ある日系人の回想作者:スピアーズ洋子発売日: 2014/06/04メディア: Kindle版 日系アメリカ人の物語はどれもとても興味深い。考えてみればこんなにドラマティックなアイデンティティーの引き裂かれ方をした人たちは、…
ヤモリ、カエル、シジミチョウ (朝日文庫)作者:江國香織発売日: 2017/11/07メディア: 文庫 江國香織の小説は、腹が座ってると思う。それは、このラストにとくに感じることで、ややもすればファンタジーにふわういていくかもしれないモチーフを、最後に剛速球…
ハイパーハードボイルドグルメリポート作者:上出 遼平発売日: 2020/03/19メディア: 単行本 『ハイパーハードボイルドグルメリポート』ってこの本は、テレビ東京の深夜にときどきゲリラ的にやってる同名の番組を担当ディレクターの上出遼平が書き下ろしたもの…
増補 日本語が亡びるとき: 英語の世紀の中で (ちくま文庫)作者:水村 美苗発売日: 2015/04/08メディア: 文庫 この本は2008年に大ヒットした本だそうで、たぶん、本好きのひとのあいだでは論じつくされているのだろうと思う。 先日、キム・ヨンハの『殺人者の…
殺人者の記憶法 (新しい韓国の文学)作者:ヨンハ, キム発売日: 2017/10/30メディア: 単行本 キム・ヨンハの『殺人者の記憶法』を読んだ。これは同じタイトルで映画にもなっている。 田舎で余生を生きている元連続殺人犯が、娘を標的にする殺人鬼と対決しよう…
娘に語る祖国 (光文社文庫)作者:つか こうへい発売日: 1998/04/01メディア: 文庫 ポン・ジュノ監督の『パラサイト』が、米アカデミー賞を3部門で受賞し、その一方で、『エクストリーム・ジョブ』のような痛快なコメディがヒットする、韓国の文化レベルは、今…
悪役レスラーは笑う―「卑劣なジャップ」グレート東郷 (岩波新書 新赤版 (982))作者:森 達也発売日: 2005/11/18メディア: 新書 グレート東郷は、日系二世の悪役レスラー。戦後、「卑劣なジャップ」を演じて観客を煽りに煽った。163cmの身長に高下駄を履き、…
eigaland.comそれでもドキュメンタリーは嘘をつく (角川文庫)作者:森 達也発売日: 2013/12/13メディア: Kindle版 今年の日本アカデミー賞は、作品賞、主演男優賞、主演女優賞と『新聞記者』が席巻したみたい。意外な結果だったけど、新型コロナのせいで、無…
Black Box (文春e-book)作者:伊藤 詩織発売日: 2017/10/18メディア: Kindle版 山口敬之は、レイプの常習犯であったらしい。と、警察官が推測しているが、その可能性も確かにあると思う。 「パンツくらいお土産にさせてよ」とか 「今まで出来る女みたいだった…
ラストレター (文春文庫)作者:岩井 俊二出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2019/09/03メディア: 文庫 映画の『ラストレター』が素晴らしかったので、原作となった岩井俊二の小説の方も読んでみた。というのは、映画で主人公の乙坂鏡史郎を演じた福山雅治がラ…
1941 日系アメリカ人と大和魂作者:すずき じゅんいち出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/09/13メディア: 単行本Photographs of Manzanar作者:Ansel Adams発売日: 2012メディア: ペーパーバック 日曜日、雨がふって意気阻喪してしまい、新型コロナウィル…
靖国作者:坪内 祐三出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1999/01メディア: 単行本www.huffingtonpost.jp 坪内祐三が亡くなったそうだ。61歳というから若すぎるとも言うべきだが、絶妙な享年という感じがした。これはもちろん赤の他人の一読者としての感想で、親…
今、村上春樹が世界じゅうで読まれてるのは事実としても、日本人の私が、それを感覚的にとらえるのは、けっこうむずかしい。 野田知佑がカヌーでユーコンを下っている途中で出会った女性が、夏目漱石の『こころ』の英訳版を読んでいたというのを読んだことが…
鴻上尚史のほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋作者: 鴻上尚史出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2019/09/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見る ハフィントンポストに鴻上尚史のインタビュー記事があった。 まぁ、半分くらい…
掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集作者: ルシア・ベルリン出版社/メーカー: 講談社発売日: 2019/07/09メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る この短編集は、ことしの夏に出版されたようだが、多分、話題になっているのだろうと思う。ア…
性表現規制の文化史作者: 白田秀彰出版社/メーカー: 亜紀書房発売日: 2017/07/20メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (6件) を見る 『春画と日本人』の映画を観たときに、春画展の図録にあった、安政六年(1859年)に、あるアメリカ人…