接触

接触 (講談社文庫)
風邪が治りつつある。そのせいもあり、終日引きこもって暮らした。とても冷えたが、天気がよかったし、出かける手もあったが、行くとしたら、内山邸に梅でもとなるにきまっているので、我ながらばかばかしい。
NHKの「日曜美術館」で面白い特集がやっていた。ヴェネチアの国際建築展で、日本館が「おたく」をテーマに展示していた。大阪万博で少年たちが信じた未来が、虚構のオタク趣味に変容したという仮説はとても興味深かった。ロマン主義自然主義に変容するように、未来主義がオタク趣味に、鉄腕アトムが美少女フィギュアに、変容したわけである。まさに、この展覧会のテーマ通りの「メタモルフ」だ。
先週までは本も読めなかった。読みかけの本は山ほどあるが、手始めとして、パトリシア・コーンウェルの『接触』を読んだ。こちらが努力しなくても読ませてくれるプロの著作はありがたい。木村伊兵衛の『僕とライカ』というのも読みかけなんだけど、文章としては読ませてくれない。写真としては、こういうスナップが好きだなあと確認したいところだ。ただ、文章家ではないなぁ。