しずかちゃん

今週の週刊文春で、一番笑えたのは、広島6区になぜ「ホリエモン」かというと、それは「しずかちゃんがいたから」だって。
私がこの雑誌を購読しているのは、小林信彦さんのエッセーを読むためなのだが、今週のはちょっといただけないかなぁ。筆の力に任せて、今と戦前を強引にオーバーラップさせようとしている。小林信彦の筆の力は並大抵ではない。古くからのファンでなければ、今週のエッセーをうっかり鵜呑みしてしまうかなぁ。
小林信彦さんといえども、戦前のことは知らないはずなのだ。「戦前のリプレイを見ている高齢者たちは,怒らないだのだろうか?」と結んでいるが、突っ込ませてもらうと、高齢者たちが怒っていないということは、戦前のリプレイではないのだろう?
小林信彦さんは、ちょっと人間に深入りしすぎる。その結果として、『天才伝説 横山やすし』のような名著が生まれるわけだから、読者としてはありがたいが、小泉純一郎とか付き合いのない人間にコミットしすぎる意味はない気がする。
小林さんだけではなく、小泉純一郎首相のやり方を「独裁」といいたい人が多いようだが、総理大臣に就任して、4年もたっているのに郵政民営化ひとつままならない。こんな「独裁」はないだろう?しかも、国民の総意は、反対していないのにである。私にいわせれば、「郵政民営化は前の選挙でやったろ?」といいたいところ。党の公約に違反して、反対した議員なんて除名にならない方がおかしい。
もともと議院内閣制は、大統領制にくらべて行政が立法に対して弱いという指摘があった。だから、小泉純一郎中曽根康弘も、改革を掲げる総理大臣は、首相公選論者である。
中曽根康弘氏のインタビューも載っていた。
「・・・小泉君が首相になって、日本の漂流を止めた功績は認める。しかし、彼は道路と郵政ばかりに目がいって国家像や国の路線にあまり関心がない。・・・」
「国家像や国の路線」を勝手に決められる方が、私としてはきな臭く感じられる。
郵政民営化の他に重要な問題がある」という意見も聞く。だったら、さっさと郵政民営化法案を通して、その重要な問題とやらにかかればいいではないか?先日引用した大前研一氏のメルマガにあったように。
民主党に改革ができるか?民主党のなかには抵抗勢力はいないか?どうも疑わしい。少なくとも、今回、抵抗勢力の切り捨てを断行した自民党の方が一歩進んだように見えるなぁ。たなぼたで政権は手に入らないだろう。
今回は、林真理子のエッセーの方がよかった。女性候補者を女性の視点から見ている。なるほどと腑に落ちる。
池沢夏樹の読書日記が相変わらず面白い。先日の『カレーソーセージとレーナの物語』は、この人のご紹介である。
それにしても、あたしゃスミズミまで読んでいるのか?そういう訳じゃないんだけどね。でも、中村うさぎのエッセーも笑えた。