ジャコメッティ

11日、午前7:32分。早朝にもかかわらずのぞみは満席だった。7:30に切符を買って駆け込んだにしても、どこかに座れるだろうという期待はそれほど大それたものだろうか。それでものぞみは2時間15分かそこらで新大阪に着くので、デッキに立ってすごしてもたいして苦にはならない。GWはたしかこだまで帰った。遅いけど、各駅停車なので座れる確率が高い。どっちがいいか微妙だが、のぞみですわれるのが最善でこだまでたちっぱなしなら最悪である。帰りの指定席は下車駅でさっそく予約した。
太平洋側に住んでいると、なんだかんだいっても新幹線が便利。魚津から大阪は魚津発のサンダーバードがあったが、大阪から魚津はサンダーバードに乗ったり、急行に乗ったり、福井まで鈍行で行ったり、いろいろ趣向を凝らしたものであった。あちらは米原を越えると、つまり北陸本線に入るとがらりと景色が変わる。旅情を適度に刺激してくれた。
バイクで帰ったことも、もちろんある。北陸自動車道名神〜中国、あるいは山陽、というルートは単調ではあるが、交通量は少なく快適に走れる。ここからは東名〜名神を走ると思うとそれだけで意気阻喪してしまう。3日でとんぼがえりするときなどなおさらだ。
ところで、加古川線ですごい列車を見た。横尾忠則の滝の絵が一面にペイントされている列車だ。沿線の西脇が彼の出身地で記念美術館などもあるが、それにしても迫力のある電車だった。
土曜日は兵庫県立美術館ジャコメッティを見に行った。晩年の矢内原伊作をモデルにしたものを中心にした展覧会だった。彫刻はあまりよくわからないし、記憶に残っている展覧会はマイヨールとウスマン・ソウくらいだが、ジャコメッティは薄っぺらく削り落とされた像に、人間の顔が生々しく見えるから不思議だ。
こないだどこかの美術館で見つけたユーモラスな猫の彫刻の作者、ディエゴ・ジャコメッティは、もしかしたらアルベルト・ジャコメッティの弟かもしれない。