フリーター

今度の社員旅行は行かないことに決めた。正社員になったからといって、サラリーマン根性になることはない、ということに気が付いたわけである。
安部総理はフリーターの数を最盛期の八割だか半分だかにすると言っているが、フリーターの側から言わせてもらうと、今さらでもないだろうが、サラリーマンになりたいのに、なれないわけではないのだ。この一年、サラリーマンをやってみたけど、ほんとにくだらない社会だと確信した。ただ、サラリーマン根性の人間が尊敬されているわけではないのは確かみたいだが、サラリーマンとは何かと問われたら、大体あのあたりにたむろしている人たちですよと答えざるをえない、そういう人たちも見てきた。
日本のサラリーマン文化が世界に通用しないことは、いろんな人がうすうす感づいているところだろうが、世界に通用しても日本に通用しないと、実生活上なかなか不都合なことになる。世界に通用するなら出て行けよということになる。実際、優秀な人材は流出しているみたいだけど、沈み行く船と分かっていても、乗り換える船もないのに海に飛び込んで泳ぎきる自信があるかどうかという話になる。
ところで、昨日みたいな書き方をすると、小林信彦さんの意図が誤解される気がする。補足に引用しておくと

戦時中にも、反軍的な人はいたが、沈黙を守り、それでも投獄された。大きな声で<反戦・反軍>を叫ぶ<庶民>なんていなかった。<庶民>は闇の米を探すのに精一杯で、そういうことではいかんと、当時の新聞は叱っている。

最近、右寄りの発言をする人が多くなっているが、庶民の立場で発言していないことは確かだろう。自分がもし総理大臣だったら、みたいな妄想に浸りつつ発言しているのではないかと思う。アメリカが戦争をしまくるのは、戦争で儲かる金持ちと、戦争にでも行って食いつなぐ貧乏人が量的に充分存在するからだろう。中国なんか超格差社会だから、潜在的に戦争したくてしょうがないはずで、最近の反日の盛り上がりはそのあたりのことなのかもしれない。日本も格差社会になれば戦争がしやすくなるんだろう。