- 作者: 吉田健一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/12/09
- メディア: 文庫
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この人は、日本人より外国人を書かせたほうがうまい。日本人は何か不自然な感じがする。もしかしたら、頭の中では英語で考えていたのではないだろうか。
わたしが好きなのは「英国の田舎」、「ニュー・ヨークの町」、「神戸」、「航海」。サマセット・モームに『コスモポリタンズ』という短編集があるが、あの感じを思い出した。モームのあの短編集にも神戸を舞台にした短編があったし、彼が第二次大戦中にイギリスの諜報活動をしていたということから連想してしまったかもしれない。イギリスの短編を読んだような感じだ。
「京都」あたりは、あちらの教養に追いつかなくて何がなんだか分からない。(素人ならではの正直な述懐)しかし、なんという文章であろうか。翻訳の文章はあんなに分かりやすいのに、創作になるとこの文章はどうなんだろう。倉橋由美子に軽べつされるので「悪文」とは言わないけれど、癖があることは確かでしょう。「京都」なんかは、吉田健一の文章を楽しむために読むんでしょうな。
ところで、昨日は下鶴間のだるま市にでかけたが、ホントにだるまを売っているだけだった。こういう空振りみたいなこともたまにある。何しに来たの?みたいな空気で、ああいうときは引き際がむずかしい。
帰りにふれあいの森に寄った。どうやらこないだ撮った写真はコブシのつぼみであったらしい。札がかかっている樹があった。梅にはまだ早い。でもヤマガラの写真が撮れた。二日続けてバードウォッチしてしまった。