「産めよ増やせよ」という標語が戦時中にあった。
という話を書こうかなと思っていたら、今週の週刊文春で小林信彦さんが取り上げていた。わたしは実際には知らない世代。ひどい標語じゃないだろうか?人間を戦争の消費物資としか思っていないし、女性を「産む機械」扱いしている点で、現在の内閣と考え方が同じだ。戦時中の日本は「美しい国」だったと思っていると、そういう発言になる。本音が出たのだ。
小倉千加子の『結婚の条件』に「1940年体制」という言葉が出てきて驚いたわけだが、野口悠紀雄氏のこの仮説は、いろんな局面で不気味に実証されている気がする。つまり、日本の官僚体制はいまだに戦時中なのだ。彼らにとっては国家とは戦争する主体にすぎない。防衛庁を防衛省にすんなり格上げしても、夫婦別姓にも男女雇用機会均等法にも頑強に抵抗する。正直言って、彼らは不気味だ。頭を切られたのにくねくね動いている蛇みたいだ。
エレン・ワタダという日系三世の米軍中尉が、イラクへの派遣命令を拒否し、軍法会議にかけられている。米国各地の反戦運動の象徴的存在になりつつあると、今朝の新聞に書いていた。テレビニュースではほとんどふれられていない気がしたが、気のせいだろうか?