蟲師

knockeye2007-03-24

蟲師』封切り。満席だった。ネットでチケットを買っていて正解。大友克洋初の実写映画。思えば『パプリカ』も満席だった。このあたりがいま中心のようだ。
オダギリ・ジョーと江角マキ子、白髪隻眼の蟲師二人の物語が交錯する。
蒼井優演ずる淡幽の書庫にぎっしり積まれた巻物は、一切経を連想させる。中島敦の「紙魚」を思わせるエピソードもある。
アニメを見くらべると西洋の世界観がいかにも退屈に見えてくる。『ハッピーフィート』なんて、こないだマイアヒにあわせて踊っていたニワトリが、ペンギンに代わっただけである。ディズニーのねずみから、進歩どころか変化もしていない。
人知の及ばない世界が闇のように豊かであることは、ひとりの人の悲喜劇をこえる。東洋で「ゆるす」ということはそういうことじゃないかと思う。
神だの悪魔だのは、要するに善と悪を擬人化しているにすぎない。世界はそれほど単純か?世界をそれほど単純にわりきれたのは、キリスト教が砂漠で生まれた宗教だからだ。とは、誰かの受け売りか。