題名のない子守唄

knockeye2007-10-06

夜の静かさに耳を澄ましていると、時がたつのを忘れる。何かが聞こえるのを待っている静寂の長さが心地よい。腹が減ったので夢庵まで自転車で出かけたが、連休初日で日付が代るころとあっては、さすがに人が少ない。
ほんとは横浜か海老名で食べてもよかったが、何か食いたいもののイメージが、頭の中で上手く構想できなかった。おなかは減っているのだけれど、食べたいものが何もない。味覚の抽きだしが少ないと、こういう事態に立ち至ることがある。
思いつきで川崎まで『題名のない子守唄』を見に行った。ジュゼッペ・トルナトーレ監督の新作。『ニューシネマパラダイス』、『海の上のピアニスト』は魅力的なキャラクターが心に残る作品だったが、最新作はプロット重視みたい。最初に「結末は話さないでね」という、監督自身のテロップが出る。
どういうわけか主人公がウクライナの女性だが、旧ソ連の女性が美人であるのは、もうすでに国際的定説になっている感がある。モスクワで泊まったホテルのフロントで、テキサスのおっさんと話したが、彼はキエフのビザを取ろうとしているところだった。事情は知らないので、迂闊なことしか言えないが、キエフに行くテキサスの男は、今のこの時点から考えると、一昔前のフィリピンに行く日本の男とダブって見えてくる。