サラリーマン首相

ムカッとすると、あとさきのことを考えずに「もう辞める!」とか言い出す人間は、キライではない。むしろ、信用できる。
小沢一郎がシレっと帰ってきたのであるが、これでいいのだ。
三日前ここに書いたことをもう一度読み直してみる。

 テレビをぼんやり見ていると、昨夜の小沢・福田の党首会談について、フジサンケイグループだけが、「連立を持ちかけたのは小沢一郎の方だ」という報道。しかし、福田首相の昨夜の記者会見を見ると「今の政治状況を打破するために、新体制もいいのではないかと申し上げました」と。これを間接話法で簡略に書き換えるとどうなるだろうか?  党首会談に応じたこと自体がまずかったという意見もあるだろうが、応じなければ応じないで、また別のアドバルーンを揚げられるのは目に見えているから、応じて内容を拒否するというやり方がベストだったろう。

今考えてみても、ただこれだけのことだったと思う。
だけど、そこで小沢一郎氏の中では、何かが引っかかってプッツンと切れてしまったのである。政治家として悪いことではない。
書いたように、わたしは、そして多分、わたし以外の不特定多数の人が、あの夜、福田首相自身が「連立を持ちかけた」旨の発言をしたのをちゃんと見ている。にもかかわらず、小沢一郎氏の辞任騒ぎのあと、「どちらが連立を持ちかけたのですか?」との質問に、「それは、あうんの呼吸で・・・」などと答えている。
福田首相はサラリーマン経験があるので、庶民感覚が分かるということらしいが、この間の動きを見ていて、福田首相がサラリーマンにしか見えなくなってしまった。