攻殻機動隊S.A.C.

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX DVD-BOX (初回限定生産)

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX DVD-BOX (初回限定生産)

ハンドルが届いたので交換したかったのだけれど、ちょっと長雨になっている。これから少しずつ寒くなるのではないかと思う。以前に買っておいたDVDボックスを「イッキ見」してしまった。頭が痛い。
日本のアニメ文化の極北と言われる作品だけあって、絵も脚本も良く出来ている。ディテールに品質が宿っている。
攻殻機動隊S.A.C.』は、複数のシナリオライターで書かれている。伏線や構造の確認のために、定期的に脚本の読み合わせが行われていたそうだ。そのシナリオ会議そのものが、第9話の会話劇、チャットルームのもとになっているそうだ。劇中の「笑い男事件」についてのチャットが、作品のシナリオ会議とシンクロしているというのが面白い。
村上隆村上龍の対談をまた見ていたのだが、「なぜ日本でこんなにアニメが発達したのか」という問いに、「まずは絵が描ける人が圧倒的に多い」という点を上げていた。
村上隆は日本の美術界からは批判されているそうだ。藤田嗣治の場合もそうだが、同朋が世界で成功すると批判するのはなぜかと考えてみた。日本人が世界で通用するはずがないという、何の根拠もないが、しかし徹底的な劣等感がその根底にあるのではないか。「日本人が世界に通用するはずはない、だから成功しているあいつは偽物だ」という確信である。集団で自己卑下しているほうが、成功を目指して努力するより楽なのだろう。
その自己卑下が周辺のアジア諸国先住民族に向かうとき、一転して徹底した差別に変わるのではないか。こちらはまた徹底的に根拠のない優越感である。
攻殻機動隊の2ndGIGはテレビでほぼ見たので、買うべきかどうか。買って損はないと思うが、高いねぇ。