ニコラス・ケイジのウェザーマン

ニコラス・ケイジのウェザーマン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

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自転車を盗まれた。鍵をかけていなかったのかもしれない。二輪は盗まれがちなものである。すこし油断していたか。たぶん、冬休みで浮かれた気分の悪ガキがやったのだろう。タイヤが小径の黄色い折りたたみ自転車で、前後にサスがついている。気に入っていたが、愛着があるとまでいえる付き合いはなかった。仕事収めの後でよかった。仕事に出かける朝だったら、かなりむかついただろうが、映画「自転車泥棒」のような気分にはならなかった。自転車は盗まれがちな属性を備えているのを忘れていただけだ。来年からは気をつけることにしよう。不満はないが、愛着はない、か。多くの人生の結論でもあるだろうか。
ニコラス・ケイジの映画が見たくなる。
監督は、ハリウッド版リングのゴア・ヴァービンスキー。個人的には、本家のリングよりハリウッド版の方が好きである。その理由の一つは丁寧な絵づくりにあると気づかされた。撮影監督のフェドン・パパマイケルとプロダクションデザインのトム・ダフィールドが、リングの時と同じスタッフなのだ。舞台となっているシカゴの冬が美しい。フェドン・パパマイケルの言葉を借りると「鉄と石、そして光」。シアトルと聞くと、「めぐり逢えたら」を思い出すように、これからシカゴの名前とともにこの映画を思い出すことになるだろう。
日本未公開だそうである。で、思ったのだけれど、アメリカ映画の興行収入を日本映画が抜いたのは、買い手にセンスがないせいではないか。最近の映画のテレビCMはひどいね。泣いている観客の顔を写して、「感動しました」とか、あれが映画広告のプロの仕事だということなら、ほかのプロに関しても推して知られる。