寒い週末

「レット・イット・ビー」に聖母マリヤが出て来るのは、ポール・マッカートニーアイルランド人でカトリックだからだと、突然気づいた。
年をとると変なことに気がつく。この曲を初めて聞いたのは、多分物心ついたかつかないかのころではないか。東芝のレコードプレーヤーかステレオセットのCMに使われていたのが最初だろうと思う。映像はきっと映画『LET IT BE』からの使いまわしだったろう。
中学生のとき、友達と一緒にビートルズの映画を梅田に見に行った。
「ヤァヤァヤァ」
{HELP」
イエローサブマリン
「LET IT BE」
の4本だてだった。少し遅れたのだろうか、記憶が曖昧だが、席に座れず通路に座って見た。
昨日、びっくりドンキーに行ったが、BGMがビートルズでなくなっていた。思い出すかぎりずーっとビートルズだったのである。
とてつもなく寒い週末だった。風呂上りにうっかり転寝して、ちょっと風邪気味になってしまった。
寒くて出かける気がしない。富山の人が、「富山より東京のほうが寒い」とよくいうが、まんざら嘘でもなかったようだ。富山は冬の間ずっと曇っているので、放射冷却はおきにくい。積もった雪も幾分か断熱の効果を果たすかもしれない。
たびたびいうように、わたしはひとりが平気な質だが、言い換えれば業が深いと言えるのかも知れない。今日、日曜美術館檀ふみを見ていてなんとなくそう思った。
また、子供から抜け切れないともいえる。これは、週刊文春岡田斗司夫のインタビューを見ていて思った。
子供じみていて、業が深い。困ったものである。
日曜美術館では、長谷川等伯の松林図屏風の特集をしていた。最近、月下松林図屏風が発見されて、あれが下図だったのではないかという議論があるようだが、わたしは月下松林図屏風より松林図屏風のほうがすぐれていると思う。
筆致を見ると、いま描きあげたばかりのようにみずみずしいのに、全体としてみると一分の隙もない。ああいう絵はめったに見られるものではない。