蝶々は誰からの手紙

knockeye2008-04-10

蝶々は誰からの手紙

蝶々は誰からの手紙

かくばかり世は衰へてひとりだに謀反人なき国を危ぶむ

丸谷才一の本が出るとつい買ってしまう。書評集であった。
よい書評集の困ったところは、読みたい本が増えることと、それを読んでもいないうちから読んだ気になってしまうことだ。
上の短歌は岡野弘彦の歌集『バグダッド燃ゆ』所収の一首。
若島正訳の『ロリータ』が好評であることは前に触れたが、旧訳の事情が少し知れた。
旧訳について、丸谷才一が「・・・こんなことになるのはジョイス以後の小説作法に無知な訳者が単なるエロ小説のつもりで訳しているからだ」と手厳しく批判すると、その後、ずいぶん経ってから訳者から「あれは自分が訳したのではない」という主旨の手紙が来たそうだ。
大野晋の、日本語とタミル語同源説も興味深い。とくに「もの」という言葉についての謎解き。「もの」はタミル語の「man-u」に対応するらしい。
と、まあ、こういう風に読んでもないのに、読んだ風な気分になってしまう。
でも、ここに紹介されている本のうちから何冊かは、確実に読むことになるだろう。
先日の光則寺の写真をフォト蔵にアップしてみた。こちらだと元画像の大きさで確認できる。DP−1の感じが掴みやすいか知れない。
ちなみに、ファイル名が「S」で始まるのがDP−1。

posted by (C)knockeye