古希

横尾忠則は古希だそうだ。
隠居を宣言して、『ぶるうらんど』という小説を発表した。
先日読んだ対談集は、たしか、まだ40代だったから、やはり、はるか昔だったのである。80年代は、はるか昔。
ガソリンスタンドの表示が120円台から、150円台になっている。
わずか一ヶ月だけだが、暫定税率を下げさせた民主党の功績は大きかったと私は思う。その税金が、田中角栄の昔から今まで、誰のために使われていたのか、よく分かったからである。(それとも、まだ分からない人いる?)
宮崎県知事が躍起になって声をからしたことからも分かるとおり、ガソリン税は、全国津々浦々の土建屋の仕事に漫然と注ぎ込まれてきたのであり、そのために、意味不明な道路が日本のあちこちに、造られては放置されてきた。
宮崎についていえば、産業らしい産業はない。県知事が今するべきことは、道路を増やすことではなく、産業を誘致することであるはずだが、多分、はなからそんな才覚はないのか、あるいは、もはや県政に見切りをつけて、潮目を見て国政に移行するつもりなんだろう。今回のことで、道路族の受けはよくなったはずである。
暫定税率のない一ヶ月を経験したことで、自民党も、道路特定財源一般財源化を言わざるえなくなった。これだけでも民主党のお手柄というべきだと思うが、テレビのワイドショーを見ていると、「混乱の責任は民主党にある」みたいなことを言う解説者がいて、「なるほど」と腑に落ちるものがあった。
どの程度、その方向で世論を誘導できるか見てみたいものである。マスコミは小泉郵政選挙のときも、足を引っ張ろうとして躍起になったものだったが、さて、今度はどうなるのか。
ついでに触れておくけれども、町村官房長官の「環境」発言を真に受けるひとは、まさか、いないよね。やんばるの森や、知床の森を切り開いて道路造りまくっているカネが、なんで環境保護につながるの?あれは、要するに「社内向け」の発言であろう。町村さんところの社員は、あの理屈で意思統一するつもりらしい。族議員なんて、所詮サラリーマン政治家である。
もう一度、確認するけど、一夜にして、ガソリンが120円台から150円台になった。あきらかに政治が原因の値上げである。消費者はもちろんのこと、マクロ経済の見地からしても、自民党には、危惧する政治家はいないのだろうか。120円台になっていたときは、ガソリン税がなくなっていたわけではない。長年、根拠もなく上乗せされていた「暫定税率」が廃止されていただけなのだ。