私の食物誌

knockeye2008-09-15

私の食物誌 (中公文庫)

私の食物誌 (中公文庫)

あちこちに抄録されていたのを読んだだけだったので、この改版が出たのを機会に読んだ。いわずと知れた名著である。
「一体に食べものをどこででも手に入れることが出来る代物に変えるのはその食べものを所謂、万人の許に届けることにならない。それはただ食べものを消滅させるだけで、その意味で万人に飢餓を届けているのである。」
初版が1972年であることを考え、このごろの自分の食生活を振り返ると、なるほど、確かに飢餓を食って生きている感じがしないでもない。
どうも、生活ということ自体をとっくに手放してしまったような気がする。