寝ずの番

knockeye2008-10-04

現在、「次郎長三国志」が封切中の、マキノ雅彦第一回監督作品「寝ずの番」をDVDで見た。
あるテレビ番組で笑福亭鶴瓶が、「言葉だけでR指定」と笑っていた。鶴瓶自身も出演している。
中島らもの原作は読んでいる。あれを映画化するのは、「ガダラの豚」に較べれば、技術的ハードルは低いに違いないけれど、それだけにセンスとディテールへの気配りが大事になる。その意味では、芸能一家に生まれて、芸能人の素の部分を見てきたマキノ雅彦が、この映画を第一作に選んだことは、それ自体がセンスのよいことではなかったかと思う。
逆に言えば、この監督でなければこの味は出なかったかもしれない。出演者にも、中井貴一堺正章と二世タレントがいい味を出している。子供のころからその世界の空気を吸っているものだけが出せる味があるのではないか。少なくともそう思わされている時点で、観客としてはしてやられているわけである。
公式サイトによると、落語指導に桂吉朝桂吉弥とある。吉朝の死後、吉弥が受け継いだらしい。文庫本のあとがきは吉朝が書いている。
ところで、吉朝がつぐはずであったが叶わなかった桂米團治を、桂小米朝が襲名した。先代の米團治は、桂米朝の師匠であるから、この名跡の復活にはいろいろと感慨深いだろうとお察しする。
小米朝という人は、いい男なのにひょうひょうとした味があって、華がある。実子として米朝という名前をつぐよりは、ずっとプレッシャーがないはず。米團治は大きな名前だが、先代は早逝していて、実のところ、誰も知らない。
久しぶりによい天気だが、どうも明日は降るらしい。DP−1を持って何となく電車に乗り何となく小田原まで出かけた。これといったあてもなくただぶらぶらしてみただけだけど。
秋の日の午後三時、色温度が低いせいもあるか、ホワイトバランスを晴れの設定にしていると赤がかぶった。シグマはDP−2の開発を発表した。今度のレンズは40mmだそうだ。50mmでないところが、カメラ好きの心理を衝いている。