「トウキョウソナタ」、「ノン子36歳、家事手伝い」、「誰も守ってくれない」と、三作ともに津田寛治が出ていた。
チョイ役と脇役の間くらいの役なのだけれど、この人すごいなぁと思って。
「トウキョウソナタ」では、失業したゼネコンのサラリーマン、「ノン子・・・」では、テキヤの親分、そして、今回の「誰も・・・」では、本庁のエリート刑事なのだけれど、
「おまえら、何やってたんだ!」
っていう台詞は職人技。
あの一言で、この人物の狡さ、弱さ、幼稚さがすべて見えてしまう。
ああいう職人技が見たくて映画を見に行くみたいなところもあるので、この人が出てくると、なんか得した気がします。
今日の昼間、小川洋子の『猫を抱いて象と泳ぐ』をふと思い出したら、すっごいグロテスクに思えてしまった。
夜、自分の部屋で読んでいるときは、透きとおった水みたいに思えるものが、昼に思い出すとグロテスクというのはどうしたことであろうか。ふしぎ。