「かんぽの宿」とグリーンピア

アメリカは告訴社会なので、マスコミの人間にジャーナリズムの学位は必須と聞いたことがある。そうでないと、失言ひとつで社会から葬り去られてしまう。
日本のマスコミはどうなんだろう?
たとえば、松本サリン事件の河野さんが、もし、各マスコミに訴えを起こしていたら?
日本のニュースキャスターは、紙袋をかぶって、「名無し」という名札をつけて放送するといい。どうせ内容は大差ない。
かんぽの宿」は、年間40億円の赤字事業を売却するという話。109億円が安いか?
もし、逆に120億円つけるからもらってくれと言われても、三年でゼロになってしまう計算。どうでしょう。ただでもらってくれと言われたら、あなたなら貰いますか?
Wikipediaによると、同じような経緯で売却されたグリーンピアについては
「年金保険料1,953億円を投じたグリーンピアの売却総額は、わずか約48億円であった。」
とある。
問題点はグリーンピアと同じなのだ。鳩山邦夫はどういうわけか、これを郵政民営化の見直しにつなげるつもりらしいが、話は全く逆で、この問題を突き詰めていけば、過去のずさんな郵政事業の責任に行き着かざるをえないはず。郵政族議員の責任にまでも手が届きそうだ。
今はまだ坂道の上に立っている。しかし、いったん転がりだせば止まらないかもしれない。鳩山邦夫がそこまで踏み込むつもりなら、それこそ自民党をぶっつぶすことになるかもしれない。まあ、頑張って。
この売却話が白紙に戻ってオリックスはラッキーだろう。話が決まったのは、この大恐慌以前だったはずだ。
総務大臣が許可しないかぎり、撤回せざるをえない」
との発言の裏に、日本郵政鳩山邦夫に対する憤りが透けて見えないだろうか。彼らは民営化したくてしているわけではない。選挙の結果を受けて、政府の方針に沿って進めているのに、その全く同じ政権の閣僚が、突然「全面的な見直し」を言い出すのだから。この間一度も選挙をしていないのだ。鳩山邦夫はどういう裏づけがあってこの言いがかりをつけているのだろうか。

競争入札をすると高く売れると言うニュアンスで報道されている。たしかに、みんなが買いたければそれは正しい。11件の黒字物件についてはそうだろう。だが、その5倍にのぼる赤字物件については?絡みに絡んだひも付きの上に一括購入はダメ、くわえて「100年に一度」の世界恐慌の真っ最中。誰か買います?
「誰も買いませんでした」
でいいなら単純な話だが、
「黒字物件だけ手放して、赤字物件はこのまま面倒見ます」
っていう経営者がいるか?
オリックスとの取引に違法性が証明できるかどうか、注目しておかなければならないだろう。検察が政権の思惑通りに動いてくれればいいけれど、けっこうわが道を行くタイプみたいだし。
どちらにしてもかんぽの宿はもう売れない。売れないとなれば、赤字物件については閉鎖するしかない。国民にとってはどっちでもいい。誰が困るんでしょうね。