拘置延長、人質司法、そして失言

knockeye2009-03-16

報道によると
東京地裁は13日、小沢一郎民主党代表の資金管理団体陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で逮捕された会計責任者、大久保隆規(47)、前西松建設社長、国沢幹雄(70)両容疑者ら3人について、24日までの拘置延長を認める決定を出した。」(毎日.jp)
だそうだが、定額給付金関連法案の衆議院での再議決前夜という異例なタイミングで逮捕したのは、確かな証拠があるからに違いない、と、報道されていたような記憶があるのだけれど、逮捕から10日経っても手も足も出ていないようだけど、どうしましたか?
昨夜、田原総一朗鈴木宗男佐藤優などの人たちが集まって「青年将校化する東京地検特捜部」と題したシンホジウムがあったそうで、田原総一郎
乱暴きわまりない。政治資金規正法だけでの起訴なら検察の敗北」(asahi.com
また、鈴木宗男
「いわゆる『形式犯』の政治資金規正法違反で小沢氏の秘書が起訴されるだけならば、検察への世論の批判が出てくる」(NHK)
他の参加者からも
「検察側の承認を受けなければ政権が取れない『検察主導政治』の始まり」(NHK)
といった批判が出たそうだ。
東京地裁がどういう理由で三人全員の拘留期間延長を認めたのかも腑に落ちない。有罪を認めるまで拘留し続けるということなら拷問も同じだ。いわゆる「人質司法」である。
十日前に引用した鈴木宗男のブログをまた引用しておこうかな。

平成14年7月23日、私の事務所の政治資金担当者である女性秘書が逮捕された。その女性秘書はその年の4月に子宮ガンの手術をし、その後放射線治療を受けていた。それにも関わらず、検察は彼女を逮捕した。20日間勾留されている間、治療は受けられない。

 検察の意図が私に不利な調書を取ることにあったのは目に見えていた。それでも私は「命が大事だ」と言い、早く20日間で出ることを優先する様にと弁護士に話した。案の定、その女性秘書の調書は検察の思い通りのものであった。

 公判でその女性秘書は「検察に言わされました」と証言してくれたが、日本の裁判は調書主義で、裁判長は法廷での真実の発言、叫びは採用してくれなかった。残念なことに、その女性秘書はガンが転移、進行し、翌15年9月、亡くなってしまった。

鈴木宗男にとっては、今度のことは弔い合戦でもある。簡単には引くまい。
徳島ラジオ商殺人事件の顛末を見ても、検察は面子のためには人の命など気にかけないことは周知のことと思う。
役人たちが自分たちの既得権益を守り抜くためには、常人では思いつかないようなことも平気ですると考えておくべきだ。「済州島を買っちまえ」などという報道はまだ子どもじみていて、さすがに、こんなのに引っかかりはしないが、しかし、しばらく目を背けたくなるリーク記事が続くのだろう。
ところで、麻生太郎は今日の国会で、逮捕されている三人について
「明らかに違法だったがゆえに逮捕になった」
と答弁したらしい。

 麻生太郎首相が16日の参院予算委員会で、小沢一郎民主党代表の公設第1秘書による政治資金規正法違反事件について

「明らかに違法だったがゆえに逮捕になった」

と答弁し、議場は一時騒然とした。

質問した社民党福島瑞穂党首は、容疑者や被告は有罪が確定するまで無罪と推定される法の原則を指摘し、「(今回の事件も)無罪の推定があるのは当然だ」と述べた。

総理大臣がこんな発言をして、「一時騒然」で済ませるのか。この失言だけで問責決議してもいいのではないか。こんな人間を総理にしておいてホントにいいのか。