虚偽記載をめぐる虚々

起きぬけのテレビに見かけない弁護士が出ていて、
政治資金規正法の虚偽記載という罪状は大変重いんだ」
と発言していた。
15日に田原総一郎
政治資金規正法だけでの起訴なら検察の敗北」
と言ったり、鈴木宗男
「いわゆる『形式犯』の政治資金規正法違反で小沢氏の秘書が起訴されるだけならば、検察への世論の批判が出てくる」
と発言していたことと真っ向から対立する意見である。
意見の内容では真っ向から対立するわけだが、それを発言する時期としてはどういうわけか10日ずれた。
もちろん、罪が「重い軽い」は比較の問題だから、軽いものと較べれば重くなり、重いものと較べれば軽くなる。ただ、いままで修正申告で済ませてきたことを今回に限って逮捕拘留ということなら、「今度だけ重い」ということなので、そこが批判のポイント。
そう、おっしゃるとおり大変重いですね、今回だけ。

また、こういう報道もあった。

民主党小沢一郎代表が、公設第1秘書の政治資金規正法違反事件に伴う自身の進退について、虚偽記載で秘書が起訴されるにとどまった場合、代表を続投する方針を固めたことが21日、分かった。党幹部が明らかにした。

以前このブログで
「検察の手が及べば辞任するというメッセージを発することは絶対に避けなければならない。」
と書いたけれど、逆に「○○なら辞任しない」というメッセージも同様である。進退に関しての条件みたいなことを発表するのは手札をさらしているようなものだ。
ただ、このニュースソースは「党幹部」と曖昧。

また、起訴された場合でも、虚偽記載で野党第一党党首側に強制捜査を行った東京地検特捜部に対し、世論の批判が強まるとの思惑がある。

と続いている。

しかし、今回のようなことがなくても、99.9%という刑事訴訟の有罪率と、警察のリーク情報を垂れ流すマスコミという構図は、それこそ重大な問題になっていると思う。司法への信頼が危機に瀕している。
今回、「定額給付金関連法案の衆議院での再可決前夜」という、どう考えても異常なタイミングで強制捜査が行なわれたことで、いままで鬱積した国民の批判が噴出したにすぎないだろう。
東京地検特捜部への批判はすでに強いと私には見える。最初にあげた弁護士の発言はその批判に対するちょっとした防戦というところか。