オードリーと太陽の塔

芸の話のついでで思い出したけれど、今週の未来創造堂にオードリーがゲストに来ていて、突っ込みのほうの若林が、春日のあの立ち方や「てへっ」という顔など、岡本太郎太陽の塔をモチーフに考え出したと話していた。
6年くらい全く受けなくて、頭がおかしくなりかけていたところに、岡本太郎が万博のモニュメントを依頼されたときに、万博のテーマ「進歩と調和」とは全く関係のない「べらぼうなもの」にしてやろうと、あの太陽の塔を作ったという話を何かで読んで、客を笑わせようとするんじゃなくて「何だこれは」と思わせてやろうとして、今のスタイルを作り上げたそうだ。
岡本太郎さんの太陽の塔なんですけど、なんで好きかというと太陽の塔を造るいきさつがすごい好きで。
僕ら、ずっと7年くらい受けなかったんですよ、ライブとかでまったく。
笑わそうとがんばってんのに全然受けないんで、頭がちょっと変になってきちゃって、6年間すべり続けると。
そのときちょうど、岡本太郎さんの本とか、美術館に興味もちはじめて。で、その太陽の塔を造った経緯が、『進歩と調和』っていうのが大坂万博のテーマで、岡本太郎さんがオブジェを作ろうとしてたんですけど、調和と真逆のものを逆につくってやろうということで、一本の塔が上からにらみつけてるような調和と真逆のものを造ったんです、というのを本に書いてたんです。
『伝わらないことをやれ』というのをすごい岡本太郎さん、本で言うんですよ。
で、僕それすごい感化されちゃって、受けないことを造ればいいんだと思って、で、ちょっと春日にいろいろこう頼んでですね、ちょっと太陽の塔みたいな立ち方をしてくれって頼んだんです。」
「うん」
「胸を張って、こう手をこういう風に上げてたら、こういう風に上げてもらってたら、あまりにもこの手が邪魔で、センターマイクからだいぶ離れちゃうんですよね。で、ちょっとおろしていってこういう感じになって、『へ』という顔とかも、この(太陽の塔の)真ん中の顔してみてって」
「ちょっとやってみて」
「へっ」
「こういうモデルがいたんですね。岡本太郎さんと太陽の塔から」
「そうです。で、笑わそうと思ったらほんとにむずかしいんですけど、岡本太郎さんは、見る人がちょっとイラッとするような、『何だこれは』って思うものを造ろうとするというのを本に書いてたんで、イラッとさそうと思ったらすごい簡単なんですよね。すっごいイライラしてるんですよ、お客さんが。
普通、ライブの出待ちって『面白かったです』っていうために待つんですけど、おれら文句言う出待ちの人がいっぱいいたんですよ。」
「ふざけんなって。何やってんのとか」
「そうなんです。私たちお金払ってライブに来てるんですけど、ゆっくり出てこられて、見下ろされて『へッ』っていわれたら、バカにされてる気がするんですけどっていわれて、でも、僕はそうしようと思ってたんで、しめしめと思いながら、やってて」
「これだなって匂いがそこでわかったんだ」
「そうなんです。」