アジアの基軸通貨

日本では、亀井静香が金融大臣になるそうだ。
中国は、ドルだけが世界の基軸通貨であることを批判して、元をアジアの基軸通貨にすることを狙っている。
ものづくりの面ではすでに日本に追いついたので、金融の面でアメリカに追いつこうとする意図だろう。
過去に円がアジアの基軸通貨になる可能性がなかったわけではないと思う。ただ、そのためには、アジアとの関係を良好にすることに加えて、アメリカに挑戦することが必要だった。
考えてみれば、このふたつのことが未だにできないのは、過去の戦争を私たち自身が私たち自身の手で問い直すとことをたなざらしにしてきたからだ。
日米安保のためにそれができないということならば、円のためにも、日米安保の解消を考えるべきときなのかもしれない。もう充分遅いけれども。
靖国神社という、たぶん明治の役人が英国国教会かなにかの猿真似で始めたにすぎないだろうエセ宗教は、その信者も含めてホントに迷惑だ。
犬死した負け犬を神に祭り上げていられるのも、アメリカの核の下に安穏としていられるからに過ぎないというパラドクス。
村上龍の「五分後の世界」のように、もし、日本がアメリカに降伏せず、そのまま戦い続けていたとしたら、靖国神社に祀られている連中は、神どころか、呪詛と蔑みの対象にしかならないのは明らかだろう。
元寇のとき公家たちが実質的な政治活動は何もせず、お堂にこもって加持祈祷をしていた精神性を、靖国神社という存在はそのまま引き継いでいる。
靖国神社という宗教団体の戦争責任も、私たちはとっくにもっと真面目に考えているべきだった。
もし今回の政権交代が国家のグランドデザインを書き換えるべき機会なのだとすれば、そのことこそ避けてとおることができないはずである。
しかし、いうまでもなく、そこまでの変革がおきるはずもないだろう。田中康夫佐藤優靖国神社に最敬礼しているそうなので。