パウル・クレーとアンリ・リヴィエール

パウル・クレー横須賀美術館に、アンリ・リヴィエールを神奈川県立美術館の葉山分館に。
これが両方とも遠いんだ。
ただ、どちらも京急沿線なので、いっぺんに訪ねることにしたわけ。葉山の方は一度訪ねたことがある。マチスとボナールのときだったか、あの時はひどく降られて大変だった。両方の美術館に共通しているのは海に近いこと。
横須賀美術館の入口には、水着でのご入館はご遠慮ください、と書いてあった。たぶん風邪をひきます。
パウル・クレーの方はクレーに東洋の芸術が与えた影響について比較対照しながら展示していた。
観終わった印象としては、東洋美術を否定はしていないというくらいの感じ。でも特に意識もしていないか。
アンリ・リヴィエールの方は、うってかわって、これは、ジャポニストとでも言いたいくらい。<エッフェル塔三十六景>なんておしゃれです。

このころはリトグラフだったそうなのだけれど、最初のころは木版画で、絵だけでなく彫りから摺りまで全部自分でやっていたというから驚き。
国芳の活躍していたころの江戸と19世紀末のパリは、都会の洒脱さという点で通じ合っていてももちろんおかしくなかった。
永井荷風が明治の東京より、遊学先のパリのほうに懐かしさを感じたことが思い合わせられます。