円高シフト

藤井財務大臣円高容認発言に批判が集まっているが、藤井大臣の発言は正しい。
円安を誘導しても、80年代と違って、製造業のBRICSなどの後進国のとの質の差がほとんどない現在、価格差で競争する意味がない。
円高で生き残っていけない企業は、所詮生き残っていけない。価格競争ではかならず後進国との競争に敗れるからだ。そのことが、今年はじめの派遣切りの教訓であったはずだ。
企業がグローバル化を理由に雇用を犠牲にするのなら、円安で輸出の価格差を有利にするより、円高で輸入の価格差を有利にしたほうがよい。
単純にいえば、もし給料が10万円しかない状態だとしても、円が今の二倍まで高くなれば、賃金の価値は今の20万円と同じになる。
だから、更なる円高推し進めて行く方が正しい。
それで企業が出て行くというなら出て行けばいい。為替差に守られているだけの輸出業はどの国に行っても生き残っていけない。どの国に行っても同じことだ。
むしろ政治のやるべきことは、強い円を見据えた経済のあり方を作り上げていくことだと思う。
そうでなければ、自民党の二の舞になる。高度経済成長の時代は終わった。そのことを肝に銘ずるべきだ。