今日のサンデープロジェクト

今日のサンデープロジェクトに出ていた岸井成格の発言には心底おどろいた。こういったのである。
「・・・リーク(東京地検特捜部の)記事ということについてですが、あからさまに洩らしたということではなくて、取材する側が投げかけるんですね。そして、顔色を見て判断して、裏を取る・・・」
すると、こういうことになるだろうか。
よく新聞で‘関係者への取材でわかった’と書いているのは、‘関係者の顔色でそうだろうと思った’という意味なのか。
もちろん、それでも‘裏を取る’というのがほんとうならば、記事の内容はたしかなはずだが、その後、ゲストに来ていた郷原信郎が一枚の紙を示してこう言った。
「2004年の4億円に関して不実記載云々といわれてるんですが、官報をみると収支報告書に記載されてますけど・・・」
手許にカメラが寄ると
「4億円 小沢一郎
とはっきり書いてあった。
‘しどろもどろ’という日本語の意味を外国人に教えたければ、このあとの岸井氏の対応を見せればよい。
‘裏を取る’どころか、官報さえチェックしていなかったのだ。

財部誠一「・・・あのぅ、岸井さん(毎日新聞特別編集委員)と星さん(朝日新聞編集委員)にお尋ねしたいんですけど、04年の収支報告書に4億円の借り入れ記載がちゃんとあるってのは、これはちょっと衝撃的でね、新聞は『ない』と報じてますよね。あまりにも事実と乖離しすぎませんかね。」
岸井成格「そこは、確認しなきゃいけないけども、・・・」
(裏を取って書いたんじゃねぇのか!)←これはテレビの前の私の突っ込み。
「・・・05年もあるんです。おんなじ4億・・・」
財部「ええ、ええ、でも、新聞でも、『04年が問題だ』といってるじゃないですか。」
岸井「・・・ーん、だからそのへんの捜査の仕方が、・・・なんか変だなっていう・・・」
(「っていう」じゃねぇだろ!「変だな」って程度のことを記事にしてんのか、てめえは!)←これはテレビの前の私の突っ込み。
日本のマスコミは、報道機関というより、‘広報機関(官僚の)’と考えるほうが正しいのだろう。
話をふられた渡部恒雄東京財団上席研究員)が「日本の国はやるべきことがいっぱいあるんですよ」と、いらついていたが全く同感だ。たぶん、今、東京地検特捜部とマスコミの間で起こっていることが、戦時中、軍部とマスコミの間で起こったことなのだろう。
「科学的迷信のほとんどは科学者が発信する」
福岡伸一も書いていた。
官僚もマスコミもそれぞれ専門家のはずだが、私たちは彼らの‘専門性’より自分たちの‘一般性’を信じた方がよいのだろう。
今回の場合、小沢一郎が4億の土地を買ったからといって、そこにどのような悪の要素があるのか私にはわからない。少なくとも政治を停滞させなければならないほどの。
そんなことより、何度も書いてきているように、東京地検特捜部の暴走(正義の暴走?)の方がはるかに問題だと感じられる。
去年の西松事件でその暴走に気がついたときは、すでに末期症状だったと思う。なぜなら私のような素人にも、その政治介入の意図が明白だったからだ。
それで、ホリエモン鈴木宗男、と遡って考えていくと、不可解なことばかりがあらわになってきた。
東京地検特捜部は、いつから東京地検‘独走’部になったんだろうか、と考えると空恐ろしくなってくる。
思い返してみると、土井たか子が辞職に追い込まれた事件もなにかしらあいまいな部分を残している。あれも今回と同じ手法だった蓋然性は高いと思う。