空のフォルダー

昨日の記事を書いた直後に日経のWEB刊にさっそくこんな記事が載った。

 「最大の敗者は鳩山由紀夫首相」「不運で愚かさを増している」――。14日付の米紙ワシントン・ポストは核安全保障サミットに出席した世界の首脳を品評するコラムを掲載し、鳩山首相の立ち回りを酷評した。勝者に位置付けられたのは中国の胡錦濤国家主席ウクライナのヤヌコビッチ大統領ら。特に胡氏については人民元問題でオバマ大統領と渡り合ったことを挙げて「勝者リストのトップの座は明らかだ」とした。

さらには

 沖縄県の米軍普天間基地の移設問題をめぐり、ワシントンで12日に開いた核安全保障サミットの夕食会の席上、オバマ米大統領鳩山由紀夫首相に、日本政府の国内調整への不信感を直接漏らしていたことが15日、明らかになった。

とも。
鳩山由紀夫という人は、同じ日本人から見ていても、いったい何がしたいのかまるでわからない。ましてやアメリカ人にとっては交渉相手として事実上存在しないも同然だろう。外交チャンネルをどこに求めるべきなのか苦慮しているかもしれない。
政権交代の選挙に勝った後、とつぜん「友愛」とか言い出した時点で、その前の「とてつもない国」、更にその前の「美しい国」と同様、世襲のお坊っちゃん特有の誇大妄想家だと見抜くべきだった。
今のうちに注意を喚起しておくと、河野太郎という人は、与謝野馨自民党を離党したとき、彼自身の対応をインタビューアーに聞かれて
「次期総裁(自分自身のこと)が離党しちゃおかしいでしょう」
と答えていた。
ちなみに彼は‘麻生派’である。(!)
「だった」ではなく、いま現に麻生派に属している。先日ひらかれた麻生派のパーティーにも出席していて、その席上、森喜朗

 森氏は、他の麻生派議員と壇上に整列した河野氏を名指しし、「自民党(の支持率)が上がらないのは、年寄りがいるからとか派閥があるから、と言う。派閥に属していて『派閥が悪い』では説得力がない」と語り、拍手を浴びた。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100414-OYT1T01102.htm

と批判されている。まったくごもっとも。この河野太郎もご存知の通り三世議員で、おそらく麻生太郎と似ているのは名前だけではないだろう。
与謝野馨の新党「たちあがれ日本」は、おそらくこの党名自体が、その種の誇大妄想のひとつであるようだ。なぜなら平沼氏と意見が合わない郵政問題についてはごにょごにょとことばを濁している。
つまり、威勢のいいのは総論のフォルダー名だけで、各論のディレクトリまで降りてくると空っぽなのである。仕事のできない奴のパソコンみたい。
総論できれい事を言っていても、各論に具体性がなければ、現場をあやつっている官僚を動かせるはずはない。逆に官僚の操り人形になるだけなのは当然だ。
郵政民営化という具体論をトップイシューに掲げたからこそ、小泉純一郎は官僚と闘えたのである。
美しい国」「とてつもない国」「友愛」「たちあがれ日本」、これらのフォルダーをどこまで開いていっても、次々に空のフォルダーが現れるだけ、実行ファイルは見当たりそうにない。